いつかのフィルムに (ページ18)

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残酷な言葉ページ18

彼は手術室に入ったまま何時間も出てこなかった。

数時間後、手術室から出てきた先生が、無事に終えたと教えてくれた。

けれど、

〈意識が戻らないと、なんとも言えません。既に障害は持っていますが、他に損傷が出てこないとも限りませんから……〉

そうつけ加えた。

それから私は、病室で眠る宏をずっと見ていた。

神様、どうか彼にこれ以上何もありませんように。

──────

ﾋﾟﾛﾘﾝﾋﾟﾛﾘﾝ～♬

着信音で目が覚めた。

ベッドにはまだ寝たままの宏がいて、私の膝の上でスマホが鳴っている。

「もしもし、」

〈あ、A？今どこ…？〉

「太輔…っ、泣」

〈どうした？何かあったのか、？〉

「宏が…」

〈宏？って、北山か…？どうした、〉

「宏がトラックで……病院に…泣」

〈なんであいつが病院に、？〉

それから太輔に全てを話した。

太輔は電話越しに、〈大丈夫、あいつは強いから安心しろ〉そう私に何度も言い聞かせてくれた。

しかしその数分後のことだった。

病室に戻ると宏が目を開けていた。

「宏、？ひろ、」

『……だ、、れ…』

「…え？」

こんなことになるなんて想像もしてなかった。

〈記憶障害が悪化したようです。記憶の一部が彼の中から一時的に消えてしまっていて……〉

「それは、いつか思い出せるんですか…？」

〈それに関しては何とも…〉

「そんな…っ、」

彼の中から私との記憶が消えたんだ。

再会して、伝えたいことまだいっぱいあるのに。

こんなの酷すぎる…。