ごめんって言わないで ページ14
今、私はものすごくドキドキしている。
ベッドは1つ。部屋には私と宏の2人。
さぁどうやって寝……。
『よし、寝るか』
「えっ、」
『え、って寝ないの?』
「いや、寝るけど」
『ほら、おいでって』
よいしょ、っと車椅子からベッドに移動した宏が隣をポンポン叩いて私を呼ぶ。
しょうがないからちょこんとベッドに腰掛ける。
『何もしないってば笑 それよりさ、見せたいものあるから早く入って』
「うん、」
ベッドに足を入れて座ると、宏はランプテーブルの上にあったものを取っての手のひらに乗せた。
「これ…」
『さっき風呂はいっててふと思い出した笑』
それは昔2人で行ったスキー場で記念に買ったガラスのキーホルダーだった。
「忘れたんじゃなかったの…?」
『一時的にはね』
宏はそう言って笑った。
そんな彼に私はずっと思っていたことを伝えようと思う。
「宏、」
『ん?』
「すみませんとかごめんとか、いつでもどこでも頭下げなくていいんだよ?」
「足が不自由だからって宏は何も悪くないし、謝ることじゃないよ」
『急にどうした?』
「急にじゃないよ。昔私が好きになった宏はいつでも堂々としていて色んな人にありがとうって感謝できる人だった。だから、」
『分かってる。分かってるよ笑 でもさ、なかなか自信がないんだ、俺』
本音を言ってくれたのは今が初めてかもしれない。
『でも、ありがとな笑』
そう言って彼は、私の頭に優しく手のひらを置いた。
『ほら、明日最終日だし、早く寝ないと』
「うん、」
本当はもっと吐き出したい気持ちがあるかもしれない。
もっともっと聞いてあげたい。
私が支えたい、そう思った夜だった。
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年12月10日 10時