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始めはほろ苦く ページ2

始まりは高校3年になった春のことだった。





当時私の高校は、テストを受けて入ったコースと、スポーツ推薦コースに分かれていた。





スポーツ推薦コースはいわゆるやんちゃ組が揃っており、自分で言ってはなんだが成績学年トップの私にとって、そんなおちゃらけたグループなんて縁がなかった。



しかし、高校3年になった途端、教員は何を考えたのか2つのコースを統合したクラス編成に変えたのだ。




忽ち穏やかだった私の高校生活は一変。







『よっ!』



「っ……」



急に声をかけられ隣を見ると、なんだっけこの人。



確かめちゃくちゃうるさい陸上部の……。



『俺、北山宏光。よろしくっ』




そうだ。

北山宏光。

コミュ力が異常に高いって、友達から聞いた事ある。


授業中なのに何故かジャージだし、寝てるし、ちょくちょく話しかけてくるし、ほんっとイライラする。



受験生になったのにこんな人となんで一緒のクラスなんだろう……。





そんなことをぼやーっと考えていたら先生が入ってきた。





〈今年の体育祭が決まったぞ〜!〉



当然だけどそんなん喜ぶのスポーツコースからやってきた人達だけ。



それに私は勉強は出来ても、運動は大の苦手で体育祭って聞いただけでも鳥肌が立つ。






なのに……。





なんで。

は?

なんで?



「な、なんで私がの名前が長距離リレーの欄に書いてあるの…?!」



『推薦』



「えっ、?」



『俺が推薦した』



最!低!



『だってやりたいやついなくて雰囲気悪くなんの嫌じゃん笑』



「だからってなんで私?」



『人の頼み断れないタイプっしょ?』



「……」



うぅううううう、、。



無理、この人。


ほんと嫌い。



『もしかして運動嫌いとか?笑』



「は、はぁ?!いいえ全然!」



『じゃ決定』



やばい。



私、今完全に嘘ついたよね…?



言い切ったよね…?



こうして私は人生最大の謎とも言えるだろう、長距離リレーの出場が決まったのである。

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作者名:ユナ | 作成日時:2019年12月10日 10時

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