【 歌い手 】 ス ラ ン プ と 申 し ま す 【 男主 】

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『…あー描けへん無理無理あー嫌や』

液タブの前に座っていたが、ラフから全く描けない
楽しない

まぁたスランプが来た

俺の活動名の由来。
常にスランプ

だからスラ
そして、つねすら というユーザー名にしている

今更やな

『…楽しないなぁ』

絵が描けない時はいっつもテンションがこう下がる
…なにも楽しくない
Twitterとか、相互の絵師さんのイラストを見てると精神的にやられるから、スランプの時は全く見ない

『…うぇーい』

コロコロと転がる椅子に座っている俺
それに座ったまま部屋から出る
少し長い廊下をそれで転がって移動

楽しい。くだらない遊び…めっちゃええ

コロコロコローと椅子を転がしながら、自分も座ったまま回転する
めっちゃおもろい

廊下をいったりきたり

それだけ

買い物から帰ってきた兄ちゃんに丁度見られた

「…え…なにしてんの…？」

『…絵が描けへんから遊んでた』

「また新しい遊び見つけたんやな…」

兄ちゃんは呆れて買い物してきたものを冷蔵庫の中に入れる
入れ終わったら俺の方に来て、背もたれを手に持ち廊下を走った

『ああああ！！！！！』

「どうやぁ！？」

壁に激突寸前で急ブレーキ
ほんまに怖いあかんこいつ殺す気やで

『嫌や嫌や！！！こわい！！！』

「やめへんからな！！飽きるまで！」

『はい飽きた飽きた！！！やめてや！！！』

「嫌や！」

『やめろやぁああああ！！！！』

そう叫びながら、また廊下を全力疾走
いい大人がこれで遊ぶって相当やけどな

そして、往復4回。やっと解放してくれた

俺は飽きてへんからな。椅子で移動し続けるからな

「押そうか？」

『あかん』

「そんな怯える事ないやろ！」

『いつか壁にぶち当たるわ』

大人しく絵を描いてろという事か兄ちゃん。
しょうが無いな、スランプの壁を乗り越えるため無理矢理自分の脳と手に語りかけるよ

…どこかのメーカーが脳内のイラストをキャンパスに転送出来たらええけど

『どうしたらいいのかな、俺の右手』

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