【 TOP4 】不仲説。【男主】 (ページ5)

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#5. ページ5

『来んなや』

「来たくて来てねぇし」

『…』

「…お前の部屋散らかりすぎ」

『それで散らかってんなら、他全部ゴミ屋敷やで』

「はいはいはいはい」

珍しく自分から俺の家に来たキヨ
忘れ物があったらしく、嫌々中に入って探し中。

俺の言葉は適当にあしらい、話しかけるなと黙ってても伝わってくる。

そんなキヨに、俺はわざと話しかけてしまう

勿論イラつきはするけど、あいつの反応が面白いしストレス溜まってるのを見るのが楽しいから。

『何探しに来たん』

「ペンケース」

『…あー。捨てたで』

「は？」

『身に覚えのないもんやったから捨てたわ』

「身に覚えのないものだったら普通捨てねぇだろ、勝手に何してんだよ」

明らかにイラついてるのが分かる。
そんなキヨがズカズカと俺の方へ歩を進めてくるため、俺はリビングのテレビ横にある引き出しを指さした

『捨てるわけあるかい。その二段目の引き出しに入っとる』

「…面白くもねぇ嘘つくなよ」

ソファの肘掛を膝で蹴れば、言われた通りに引き出しを見に行くキヨ。
嘘はついてへんし、そろそろ帰って欲しいところ。

すると、黙ったまま外へ出てった。
お邪魔しましたも無しか。常識無いヤツめ。なんて思いながらソファに横になったまま本を読んでいた。

数十分経った頃、また玄関の扉が開き足音が近づいてくる。
オートロックやのに…。他の人の後についてきたんか。

『何戻って来とんねん』

「…」

黙って腹に投げつけたのは缶ジュース

『はあ！？普通缶を人に投げるか！？怪我したらどないすんねんノーコン野郎！』

「わざわざ買ってやったんだからお礼ぐらい言えよ、非常識野郎」

『勝手に入ってくるお前の方が非常識やろ、はよ帰れ』

「言われなくても帰るわ。じゃあな」

そう言って強く扉を閉めるキヨ。
壊れたら弁償させてやる、なんて思いながら投げつけられたジュースを飲んだ。

缶ジュースに罪は無いし、普通に美味しいから飲んでるだけ。
キヨの気遣いが嬉しいとか微塵も思ってへん。

なんなら当てられた脇腹が痛くて投げ返してやりたいくらいはある。

テーブルに缶を置くと、また俺は本を読み始めた。

……まだ部屋にあいつの匂いが残っとるのが少し腹立つ。

匂いがいいのもまた腹立つ。

コラボは当分お預けやな。