【 躑躅森盧笙 】 あ が り 症 の 担 任 に 【 男主 】

#/34. 盧笙 side ページ34

真城淹が学校に来おへん。当たり前なんやけどな
それからの学校生活がガラッと変わった。全く楽しない

クラスの皆、毎日1班が手紙を書いてそれを持ってお見舞いに行ってるらしい

俺はあれから行ってへん。

行けへん

…無理や

俺の大事な生徒やのに

「盧笙、最近元気ないで」

「簓…」

「そーんな暗い顔しんとニッと笑ってや！盧笙は笑顔が似合う男やねんから！」

簓はロケやライブが終われば俺の家に必ず上がり込んで来る男
こいつが居るから俺はまだこうして教師やれてる

…真城淹には悪いと思ってる

俺はこいつが好きやねんから

相方してた頃からずっと

「…っ…そ、んなんあかんやろ…」

「……大丈夫やで、盧笙。その生徒は助からへんって訳やないんやろ？」

簓はそう言って俺を抱き締めてくれるけど俺は分かりきってんねん

あいつ手術しいひんって言っとった

あいつの親はもう助かることはないって言っとった

簓に慰められても結果は分かってんねんから

───────


────

「盧笙先生」

「えっ…あぁ、どないしたん？」

「…真城淹くん来おへんくなって元気無いで、いつもぼーっとしてる」

「…そんなことはないと思うねんけど…」

「授業中もぼーっとしてるで」

「うそやん…」

「ほんまに」

学校でもクラスの子にそんなことを言われた
俺全然立ち直れてへんな

お見舞いに行ってへんから気になってるだけ…なんかな？

じゃあ今日、久しぶりに行くか

そしたら少しは楽になる

…なるはず。

#/35. 〃 side→←#/33. 簓 side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す