【 躑躅森盧笙 】 あ が り 症 の 担 任 に 【 男主 】

#/12. ページ12

今日は休日
母さんに教わりながらクッキーを作っていた

『えーと…4〜5mm…に…伸ばす…』

「そうそう、この綿棒を使って」

まだ難易度の高いやつは無理だろう、という事で普通のクッキーを。

何とか生地を伸ばして型を抜く作業までやってきた

「色んな方があるけど何がええ？」

『んー…俺ハートと丸いヤツと星がええ』

「じゃあ丸が2つでハートと星は1つずつやな」

2人で楽しく話しながら型を取っていく

＿＿＿＿＿＿


＿＿＿＿


『出来たぁ…！！！』

「上手に出来たやん！」


盧笙先生にあげる分と、昨日の友達に渡す分がやっと完成
ラッピングも済ませ、ちゃんと保存。

「そういや誰にあげるん？」

『んふふ、それは内緒やで』

「…さては好きな子が！？」

『どうやろなぁ！』

母さんと高校生並みの会話をして、俺は後片付けをし始めた
親とこんな話できるって結構ええと思うねん

そこまで裕福でも貧乏でもない極普通の家庭で
親と楽しく高校生並みの会話をしてお菓子作りが出来るって幸せやと思う

『明日持ってこ…』

「頑張ってアピってきてね！」

幼馴染の女子高生のような会話するやん…
けどまぁ楽しいからええけど。

片付けも終わり、昼ご飯。
炒飯やった
俺これ大好きやねん

『そういや父さんは今日も夜勤？』

「そう、だから明日の朝に帰ってくるで」

『へぇ…大変なんやな』

そう言うけど母さんの顔は暗い
なにか隠してるような感じがする

けどそれを聞き出すわけにもいかんから、俺はすぐに話を逸らした

『俺母さんの作る炒飯好きやで』

「そう言って貰えてよかった」

と、顔を上げてすぐ嬉しそうな顔をした
やっぱこの顔の方がええよ、母さん。
こんなくらい顔しんといて

母さんには俺の事でも悲しい思いさせてるんやから



『なぁ、一緒に散歩行かへん？』

「…じゃあ少し外を歩くだけやで」



外に行くには母さんと一緒じゃないとあかんらしい
けど別にええ。一緒の時間が増えるならそれで


服を着替えて、俺は靴を履き外に。

うろうろと2人で歩いてれば見覚えのある人が通った

『あ！盧笙先生や！』

「あぁ、担任の。あの人かっこええよなぁ」

『…隣の人白膠木さんちゃう！？芸人の…！』

母さんと小声で話してれば、盧笙先生がこっちに気づいた

そして、俺と母さんに向かって軽く頭を下げた。
俺もそれに返すように頭を下げる。


『今日が命日でもええわ…』

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