密室、暗闇、二人きり。【そ.ら.る】 (ページ39)

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まふくんが映画鑑賞会でもしますか、と部屋を暗くした時、私を後ろから抱き締めていたそらるさんの腕の力が少しだけ強くなった。

……ああ、そういえば暗いとこ苦手なんだっけ。

すっかり忘れてた。私たち初対面なのに真っ暗なカラオケボックスで二人きりで……今考えると大問題だな。

「なんの映画？」

「ボクがずっと観たがってたやつです」

「ああ………」

納得したように呟いたそらるさんは、私の首元に顔を埋めた。ちょ、くすぐったい。
そらるさんの癖っ毛がみょんみょん私の首で跳ねてんのくすぐったい。

「じゃ、つけますよー」

.

「や、ちょ、そらるさっ……！」

「んー？」

「何してるんですかっ、っっ！？」

「いや、綺麗な首してるなぁって」

貴方は目の前に綺麗な首(仮)があったら誰彼構わず甘噛みするんですか？！というツッコミを喉の奥に閉じ込める。

映画の終盤、まふくんが爆睡。私の後ろのそらるさんが私の首を舐めたり噛んだりし始めた。

「う、くすぐったい……」

「え？感じる？」

「いや一言も言ってないんですけど」

「擽ったさの先は快楽なんだって、よし」

「なにがよし？！？！？！？！」

びっくりするほどポジティブなそらるさんのデコを弾く。所謂デコピン。結構効いたようで、彼はデコを抑えて転がった。

よっしゃ。仕返し成功。

喜んでいたのも束の間、彼はすぐに起き上がって、私の脇腹を掴む。

「やったな……？」

「えっ、あっ、ふふふ、やだ、やめて、あははは！」

「悪い子～」

「や、そらるさ、まふくんが起きちゃ、うう！はははは」

「起こさないように声抑えて？」

そらるさんが言うと、すごく意味深に聞こえてつらい。イケボやめて。