密室、暗闇、二人きり。【そ.ら.る】 (ページ35)

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「……もしかして、」

「………ぁ、その……」

「Aさん、俺の事好きなの？」

うわーーーーーっ！！？
そんなストレートに言わなくても良くない？！

思わず両手で顔を覆って表情を遮断する。

ああ、私のバカ。ここまで言ったら流石に鈍感なそらるさんでも分かるよな。私の馬鹿さ加減がそらるさんの鈍感さ加減に勝った……。

目の前のイケメンさんの顔をまともに見れず、しばらくそのままふるふると震えていると、突然両手首を掴まれ無理やり顔から引き剥がされる。

「？！いたた、いたいです！」

「わ、かわいー顔してる」

「ちゃかさないでください？？！」

クスクスと笑われるものだから余計に熱が集まってしまう。

うわあ、相変わらずそらるさんの笑った顔美しくもあり可愛くて大好き……いや、そんなことをしみじみと感じている場合ではないのだ。

なんて言えばいいのか分からない。

…付き合って下さい、は図々しいよな。結婚して下さい？いやそれ本音だけどもっと図々しい。

これからも仲良くして下さい？これが一番正しい気がする……

「…じゃあ付き合う？」

「エッいいんですか？！」

私の手を自分の肩に持って行き、ポンと置きながらそらるさんが微笑む。ひっいけめん。

あまりに素敵な提案に、恥ずかしながら即答で食いついてしまった。ハッとする。

「いやあのすみません間違えました」

「なんで？もしかして俺の事好きなのに付き合うのは嫌なの？あっ、やっぱアラサーは無理？」

「そんな訳ないじゃないですかぁ……」

初恋なんですから、とぽろりと零すと、そらるさんはまた笑った。

俺みたいなのに初恋持ってかれるなんてAさん不思議だね、と言って笑った。

その顔も、持ってかれるきっかけの1つなんですよ。