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「……と、いうわけなんです」
「うん、なんでボクにそれ相談しちゃった？」
くるくると長くて白い指先で摘んだストローで、アイスティーをかき混ぜるまふまふさん。
カランカランと氷同士がぶつかる音がする。
それを聞きながら「先輩がそう言ったから。迷惑かけてごめんなさい」とだけ返してアイスコーヒーにシロップを投入する。
目の前のまふまふさんはふふっと笑みを漏らした。
可愛らしい声に反してやけに大人っぽい笑い方だった。
「……なんですか？」
「いや、とりあえずさ、そろそろ敬語やめていいよ」
「私年下なのでそういうわけには」
「ダメ」
「………まふまふさ「まふまふさんもやめて。まふくんにして」………えぇ……」
カフェに誘ってまで恋愛相談を持ち掛けたのにまふまふさんにグイグイ来られて話をリードされてしまう。あ、初めて会った時からこんな感じか。
(それはそうと唐突な私の「カフェ行きましょう」を快くOKしてくれた彼はとてもいい人なのでみんな彼のTwitterフォローしよう。)
敬語やめてまふくん呼びしないと話が進まなさそうな気がしたので、諦めてポソリと呟いてみた。
「……まふくんは、どう思う…かな……？」
うわあ、なんだかまふくん呼び無駄に照れるなあ……と顔を顰めて口元を隠す。
彼は一瞬面食らったような顔をしたかと思うと、すぐに口に手を当てて笑った。
「Aさんめっちゃかわいい」
やかましい。
.
「で、その初恋の相手っていうのはそらるさんってことでおーけー？」
「……え、なんで分かったの」
「……え！？ほんとにそらるさんだったの！？！？」
割と本気で驚愕していると、Aさんは「しまった」という顔をした。
彼女、クールビューティに見えて案外顔に出やすいのかもしれない。さっきボクのことをまふくん呼びした時も耳が微かに赤くなっていたから。
それはそうと驚いた。冒頭のセリフは冗談でからかってみただけなのに、まさかの真実だったとは。
自ら墓穴を掘ってしまったAさん。気まずそうにボクを睨んでいる。
かわいい。ボクを睨んでもどうしょうもないのに。
「……忘れて下さい」
「タメ口」
「忘れて欲しいな」
「詳しく聞かせて♡」
そう言うと更に睨まれた。
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作者名：- | 作成日時：2018年4月27日 22時
