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「何もされてないんですね、良かったです」
「逆に何があるっていうんですか」
「Aさん、男はみんな狼ですから。
そらるさんはヘタレだからアレだけど、無防備なのは感心しません」
「そうなんですか」
「そうなんです」
真剣な顔でドリンクのボタンを長押ししてそう仰るまふまふさん。
長い脚を折り曲げてできるだけコップの高さと目線を合わせようとする姿を見て思った。
いやこの人、背も高いし顔もちっさいし何が起こってんの？？
「あ、Aさんも飲みますか？」
「まふまふさん。私一応バイトの身なんですけど忘れてませんか？」
「えー？えへへ」
「可愛く笑ってもダメですよ」
マスクを外した彼はそらるさんに張り合う整った顔立ちをしていた。
ホスト系なのにイケメンか。初めて見たな。
こういうホストみたいな男の人苦手なんだけど、まふまふさんは普通に整ってると思う。
あ、ストロー。と可愛い声で呟いて黄色と青のストローをコップにさす彼は、にこりと笑って言った。
「そっか、Aさんバイトだからゆっくり喋ってたら怒られちゃうね。
またゆっくり話せるといいんだけど…あ、LINEやってます？」
「…え、あっ、はい？」
「じゃあボクの電話番これ…はい。
お手数おかけしますがよろしくお願いします」
「えっあ、りがとうございます…？？」
まふまふさんがポケットからペンと小さなメモを取り出してサラサラと書いてちぎってくれた。
じゃあ、お仕事頑張ってくださいねー！
コップの中の液体を揺らしながら彼は颯爽と去っていった。
手元のメモを見れば、
彼の電話番号と思われしものと、謎のサイン。
「…………何故にサイン」
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作者名：- | 作成日時：2018年4月27日 22時
