密室、暗闇、二人きり。【そ.ら.る】 (ページ3)

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その時だった。

テレビ画面は黒くなり、部屋の僅かな照明や廊下の電気も光を消した。

真っ暗だ。他の部屋から「キャーッ？！」と女性の驚きの悲鳴が上がるのが聞こえた。……多分、先輩。

「……停電？」

「ですかね…」

とりあえず電話を…と思い部屋のインターホンを取ろうとしたけど、そうだ、電話も繋がらないじゃないか。馬鹿か私。

何でもいいけど明かりが欲しい。暗くて何も見えやしない。

あーあ、なんでスマホ持ってないんだろう。仕事中だからか。

「………っ」

「…お客様？」

息を詰めたような気配。

真っ暗で何も見えないけど、イケメンの様子が少しおかしいことは感じた。

具合でも悪いのだろうか。心配になって、足元も見えない状況の中、私は彼に近づく。

「……わ、」

「…あ」

イケメンにぶつかった。なんだ、そこにいたのか…

すみません、と一言謝るけど、やっぱり彼の様子が少しおかしいのを感じる。

息が荒い…？
心配でもう一度声をかけようとした時、突然腕を掴まれた。

「…？！」

「……すみません。実は、暗い所が少し苦手で…」

「えっ、大丈夫ですか…？」

「…こんな事言うの、あれなんですけど……」

一緒に、いて頂けませんか？

頼りない声色でそう言うイケメンさんに、とてつもなくキュンとした。