花言葉に乗せて【短編集】

カランコエ:hys ページ11

プルルルルルル





ん？誰だろう？






ディスプレイには"ジャスコ"の文字






『もしもし〜』

hys「Aちゃん！どうだった？」

『あっ、候補生？』

hys「それ以外ないでしょ」

『実は...受かっちゃいました〜！』









そう、私は東大王の候補生オーディション的なやつに受かったのだ







好きな番組だったし、憧れていた








これに出るために東大のクイズ研究会に入ったし


大会等も死ぬ気で頑張った









念願の東大王出演に、胸が踊りまくっていた








hys「良かったね！Aちゃん、すごく出たがってたしね」

『そうそう、林くんが先に出た時めっちゃ悔しかった』

hys「前回落ちたんだっけ？笑」

『嫌味ですか？ジャスコのくせに！』

hys「結構気にしてるんだからやめて」





同学年で私よりもクイズ得意な林くんは、私より先に出ていて嫉妬しまくった








でも、実力不足なのは自分が一番わかってた









『水上さんと鶴崎さんは来年は引退するんだもんね〜、早いな〜』

hys「初期メンバーはほぼいなくなるね」

『なんだろう、急に自信なくなってきた』

hys「なんで？」

『だって、今までは水上さんとか鶴崎さんが引っ張ってくれてたじゃん？』

hys「何回も助けられたな〜」

『でも、今度は光ちゃんと元候補生の砂川さんと紀野さんと林くんの中に自分が入る訳だよ』

hys「そうだね」

『私、足引っ張る気しかしない』









他のメンバーみたいにずば抜けているものがないのだ

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