揺蕩う~伍~ ページ5
嗚呼、Aだ。
半年の間想い焦がれたAが、漸く俺の腕の中に戻って来た。
中也「今回はまた随分と長ェ寄り道だったな? A」
A「ふふっ、本当にね。首領には怒られちゃうかも」
中也「其れは無ェな」
久々に感じる、Aの体温。
柔らかな綺麗な髪も、
ふわりと香るAの匂いも、
抱き締め返す腕の力も、
全てが愛おしくて、愛おしくて...。
俺は抱き締めた腕を緩めない侭、Aの唇に自分のを重ねた。
触れ合った熱く柔らかな感触に、Aは妖艶に微笑んで、
A「只今、中也」
中也「嗚呼。お帰り、A」
唯其れだけで、俺は心底満たされた気分になったンだ。
___ __ _
ギシリ、と鳴る寝台に身を沈め、Aは俺の頬に触れた侭微笑んでいた。
片や俺も、互いに濡れた侭のAの髪に指を絡ませ乍、彼女に口付けていた。
中也「善いのか? 首領ン所行かなくて」
A「善い。また明日行けば構わないよ。
だから今は、他の事考えないで...」
首に回される、Aの細い腕。
風呂上がりで湿り気を帯びた火照った肌が妙に艶めかしくて、俺は少し意地の悪い笑みを向けた。
中也「あんま煽ると、どうなっても知らねェぞ?」
舌舐めずりしてそう囁くと、Aは目を細めて、首に回した腕に力を込めた。
引き寄せられて密着した躰が、熱い。
A「半年振りの再会なのよ? もっと中也を感じたい」
何方からともなく唇を合わせると、其の侭互いに舌を絡ませた。
久々に触れる互いの温もりを感じながら、二人の月夜は更けていった_____。
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作者名:ミト x他1人 | 作成日時:2017年9月1日 23時