【ポケモン】ポケモンの私と、人間の貴方と *second* 【名前固定】 (ページ20)

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第六十八話ねこふとんページ20

フワフワとした感覚から浮上して、うっすらと目を開けた。
窓の外を見るともう日も暮れていて、かなりの時間寝てしまった事がわかる。

「クシナダ様、よく眠れましたか？」

「ギーラ様……はい、よく眠れました」

よかった、そう言ってギーラ様は微笑む。
ふと、手に目を向けるとギーラ様が手を握っていてくれて、恥ずかしいがとても嬉しかった。

「少し待っていてください、何か作って来ます」

「あ、ありがとうございます」

フッと離れた手が寂しいと感じた。

離れた手と立ち上がったギーラ様を見て、何故だろう……何で自分は、ギーラ様と違うのだろうと考えてしまった。

ギーラ様の手から離れた私の手が、ひどく冷たく感じて、ギーラ様の背中が遠く感じた。その遠く感じた背中は、何時か夢で見た背中のようで……私から、離れて、遠くに行ってしまうと思ってしまう。

わかっていたつもりだった、自分は人間、ギーラ様はポケモンで決してずっとは一緒にいれない……そう、私が隣にいれるその時間を大切にしようと思っていた……ずっと隣にいると約束した……でも……。

「何で……私は……」

気づけば涙が溢れて、ギーラ様の服の裾を強く掴んでいた。

「何で私は……ギーラ様とは、違うんですか……！」

溢れた涙は止まらなかった。

こんなこと、あんまり言いたくないのに。弱い姿は見せたくないのに……風邪は人の心を弱くする……それは本当の事だった。