【ポケモン】ポケモンの私と、人間の貴方と *second* 【名前固定】 (ページ19)

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第六十七話　シュランページ19

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暫くして、クシナダ様は静かに深い眠りに入った様だった。私は静かにクシナダ様のベットの傍らに置いてある椅子に腰かけていた。

『何故二人(二匹)だけで森にいった、凶暴な奴に会ったらどうするつもりだったんだ？今はクシナダも寝込んでいるし、お前たちが危険でもすぐ行けないんだぞ？それに……』

そのような叱るような口調が聞こえたので、その聞こえる方を振り返ると、二匹のニャスパーはセレビィに説教をされ、びくびくと体を震わせている。これは私が出ない方が良いかもしれない。余計に拗れそうな気がしてきた。

すると、ドアが開き、ジュカインが茶のそそがれたカップが載せられたお盆を持って入ってきた。茶からはとてもいい香りが漂ってきた。

するとジュカインは、説教をしているセレビィに向かって『それくらいにしておけ、ニャスパー達ももう反省してるだろう』と言って、セレビィを落ち着かせる。

疲れてしまったのか、二匹のニャスパーはエルフーンの柔らかい綿毛に身を委ねて、気持ち良さそうに寝ている。

私はジュカインから香りのいい茶を受け取った。すると、ジュカインは静かにクシナダ様の寝顔を見ていた。幸せそうな顔をしている。私も、顔が綻んでしまいそうになるな。

『……ギーラ』

ジュカインが不意に私に呼びかけた。私は少し驚いた。私はジュカインを見上げる。

すると、ジュカインは私の顔を見つめ、そして、こう言った。

『クシナダを、よろしく頼む』

その言葉は、何処か悲しみが込められているように感じた。私はその言葉を聞き、口をきゅっと堅く結ぶ。私は返事をする代わりに、頷いた。するとジュカインは安心したのだろうか、目をすっと細めた。

きっと、ジュカインは私が会うずっと前からクシナダ様と共にいたのだろう。隣りにいて、笑顔を絶やさぬようにと……。私はその事を考えると、感極まってしまいそうになる。涙が、滲み出てしまいそうだ。

私は、ジュカインのあの言葉を誓うかのように、クシナダ様の手を強く、握りしめた。