Playing With Fire. １

秘書の面接 4 西島side ページ13

日「気に入った人はいる？」




隣に座る、西島広告社の副社長である日高光啓が聞いてきた。




隆「いや、特に。」



日「んー…」





今日は社長である俺の新しい秘書を選ぶため面接をしているんだが、いつも通りぱっとするやつがいない。




日「次の方どうぞ。」




そろそろ疲れた、という時に入ってきた彼女。




「よろしくお願いします。」




まあ、世間一派的に言う "美人" っていうやつで、経歴もそこそこ。




「最後に一つ。」




面接が終わりほっとしたであろう彼女を引き止めた。




「あなたの勤めていた会社は大手のものだと思いますが、なぜ辞職を？それなりに給料もいいと思いますが。」




そう聞くと、それまで堂々と振舞っていた彼女にわずかに動揺の色が浮かんだ。




「…私の、軽はずみな行動のせいです。」




苦し紛れに出した答え、そんな感じだ。



人には言えないことってか。




「軽はずみな行動をするあなたを、我社が社長秘書に採用すると思いますか？」



「…もし私を採用してくださったら…後悔はさせません。自身があります。」




さっきとは打って変わって、ハッキリと言った彼女。




その姿を見てなぜだか、遠い昔の、幼い日を思い出した。



彼女はどことなく、あの子に似ている。

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