short story I

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『ん…なに…もう行くの？』





情事が終わってひと休みした所で
帰り支度をはじめる私にグクが声をかける。






気怠そうに起こす上半身は
綺麗な顔に似合わないほど鍛えられてる。






さっきまで私が抱かれていた身体






「うん…今日はもう帰る。」






『んふふ…冷たいんだね、』






冷たいのはどっちよ……






ていうか、せっかく着けたのに…





着けたばかりの下着を外して
拓けた背中に、ちゅっと音を立てて唇を這わすグク





それと同時に回される筋肉質な腕が心地よくて、思わず掌を重ねてしまう。





そういうグクも、今日はやけに甘えてくるじゃない…





「っ…ねっ…ほん、とに…帰るから、」






啄ばむように口付けてたハズが





つーっとなぞるように舐めるから
思わずビクッとしてしまう。





『んー。こんなんになってる、のに？』





おへその辺りにいたはずの手が、いつの間にか降りてきていた。





「ぁ…ちがっ…」





『なにが違うの？…ね、音…聞こえない？』






聞きたくもないのに…





彼の指が動けば次第に大きくなる音






『ね…俺は、まだなんだけど…足んない』





“もっと欲しい”
という言葉と同時に組み敷かれて





『もっと、Aをちょうだい？








それに…









もっと、俺を欲しがって…』

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