" ページ28
*
「……あれ、グリーンだよね？」
トキワジムの入口で不安そうに突っ立っていた人。
どう見てもあの髪型はグリーンなのだが、服装がかなり落ち着いた印象だった
「ばぁるるなぁ！！」
グリーンという単語に反応したのだろうか。ボールからフシギバナが突然飛び出し、トキワジムの前へ思い切り走っていく
「まっ…待って…急に走らないで！」
「ばぁるぁるなぁ！」
どっしどっしとかけ進む巨体にはどうも追いつけなかった。グリーンの下に行ったフシギバナは、これでもかと頭を擦り付けている。
「うおぉお！誰かと思ったらAのフシギバナか！」
「ばるるるららなぁ〜！」
さっきまでの少し悲しげな表情は消え去り、驚き大半嬉しさ混じりのような笑顔がグリーンから咲き乱れた。
「はぁ…はぁ…ひさし…はぁ…はぁあ…」
「お、おう…大丈夫か…」
久々に運動したせいで息が荒い。若い時の力の凄まじさに今更気付く
「それより久しぶりぃ…！はぁ…元気そうで…ふ…なにより…はぁ…はぁ…」
「あーもう、案内するから着いてこい。Aって緑茶飲めたよな？」
「ばぅばなぁ」
完全にへばっている主人の代わりにフシギバナが爽やかな笑顔で返事をした。さらにジムへ行く際はツルでわたしを運ぶという中々のお手伝いっぷり
どうやらまだ改装中らしいジム内は木くずのような匂いが立ち込めている。何人かのスタッフとゴーリキーが忙しそうだ
「すごいね、ジムリーダーなんて」
「だろ！チャンピオンはレッドのヤローにずりおろされちまったけどよー、まだまだ勝負したいんだ」
背中越しですら伝わる熱意。彼なりに悩み、彼なりに突破したのだろう。
「Aはまだポケモン勝負する気あったりするのか？」
「わたしはもういいよ、ポケモン勝負がしたくて旅に出た訳じゃないんだし」
そーだったのか？！と驚きの声と共に、グリーンが目をかっぴらきながらこちらへ振り返ってきた
「うん、でも楽しかったよ！フシギバナがその証拠ね」
「ばぅ」
フシギバナがやけにレッドとグリーンに懐いている理由。それは彼女が相当の勝負好きだからだろう。
この二人ならとびきりの勝負をしてくれる、そう学んでいるのかもしれない。
「それならいいけど…」
再び歩き出すグリーンからは疑心の混じった声が垂れる。ほんとだって
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももすけ(プロフ) - 民尾さん(スピネルしか勝たん)さん» ありがとうございます！スピネル了解です！ (4月7日 7時) (
レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - イツキくん好きのひなさん» コメントありがとうございます！了解です！ (4月7日 7時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
民尾さん(スピネルしか勝たん) - 初コメ失礼します! ももすけ様のこの小説めちゃめちゃ最高です😍👍💕推しのヤンデレトレーナーに愛されるだなんて(^q^)あ、あの!リクエストしてもいいですか?キャラは推しのスピネル様に閉じ込められて愛されるお話をお願いします🙏 (4月7日 1時) (レス) id: a18697d656 (このIDを非表示/違反報告)
イツキくん好きのひな - またイツキくんお願いします！ (4月6日 21時) (レス) id: 3ac03fead7 (このIDを非表示/違反報告)
もか - ももすけさん» ありがとうございます！楽しみにお待ちしております。 (3月24日 15時) (レス) id: a217f7e9be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももすけ | 作成日時：2024年1月13日 3時
