優しいおかゆ ページ7
ぱちぱちと揺れる焚き火を眺めながら息を一つ漏らす
ちゅんちゅん飛んでいるひのこは空の星のように綺麗だ。
真っ白なキャンプの中で寝そべるもなかなか寝付けない。
どうしようかと悩んでいると、ふと昼に言われたことを思い出した。
『夜は暇なので』
暇…
でもでも!あればお世辞的なもので迷惑かもしれないし…
……
話を聞いてくれたあの時。あの時は寂しさを紛らわす事ができた
ウォロさんはシロナさんじゃないの。決してぽっかり空いた穴が埋まることはないの。
でも
寂しい。そっくりなだけだけ。けれどそれでもいいの
「フクスロー起きて、今日はムラに行こう」
「ふぽぉ…」
*
「ちょけちょけ」
「ぷりゃぁ」
ウォロさんのトゲピーとわたしのトゲピーが仲良さそうにくるくると回っている。楽しそうだ
「すみません、いきなり訪ねちゃって」
「いえいえ。夜食は食べました?」
結局寂しさに負けてウォロさんの宿舎へ訪ねてしまった。
ふるふると頭を横に降れば、優しい色の粥が出てくる
「すみません、ジブンあまり料理は得意でないので」
「最近イモモチしか食べてなかったので。お口に優しいです」
口に含んだ粥はとても刺激が少なく食べやすい。物足りないかと言われればそうだが簡単に食へありつけないのだ
「ジブンは少しやることあるので。食べ終わったら食器は放置しててください」
なんて言って部屋の奥の作業台のような所へ向かっていった。髪は降ろされており余計シロナさんに近い見た目だ。
「……ふふ、でもシロナさんのほうが髪の毛ふわふわしてるなぁ。」
シロナさんは毛先がそこらにぴょんぴょん飛んでいるけれど、ウォロさんの毛先はまっすぐに伸びている。ちゃんとお手入れしてたりするのかな
「ん、フクスローも粥食べる?美味しいよ」
「くろぉ!!ぷく」
ふーふーしてから粥の入った匙を渡すと、ゆっくりと口に含み始めた。
トゲピーはもう疲れちゃって寝ている。卵のように丸まっていた
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ももすけ(プロフ) - ひなさん» やったー! (1月8日 0時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 好きです... (1月7日 22時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももすけ | 作成日時:2024年1月5日 1時