こころさみしい。 ページ5
「えっと、元の場所が恋しいんです。みんなに会いたい…シロナさんに…うぐ…ひっく…」
ウォロさんはしばらく無言でわたしの話を聞いてくれた。泣き出した時、ウォロさんに背中をさすられ余計目頭が熱くなる
「うぅ…こわいよ…さみしいよ…シロナさん…」
近くに人が居るのを忘れただひたすら自分の思いを漏らす。モクローたちは静かにボールへ戻っていった
「………辛かったでしょう、大切な人と離れて見知らぬ土地で過ごすのは…」
「あ…ごめんなさい、ちょっと…ごめ、ん、なさい、わたしっ、たら、ぅづ、ないちゃ、た、」
泣きすぎて変な呼吸をしてしまい言葉が上手く出せない
「良ければジブン、ヒカリさんの力になりたいです。精神的に支えることしかできませんけど…」
優しさというのはこうも恐ろしい。その一言で余計涙腺が緩くなる
「そうですね、確かそのシロナさんと見間違えるくらいジブンはそっくりさんでしたっけ?ならジブンがシロナさんの代わりになりましょう」
「え…」
「さ、ジブンをシロナさんだと思って沢山甘えてくださいな。それで気持ちがラクになれれば万々歳ですよ!」
「いいんですか…?そんなこと…」
お得意様ですから、なんて優しく微笑まれてしまった。
「う、じゃ、じゃあ、手繋いでくれませんか…」
「もちろん」
静かに重なる手はとても暖かく心地よい。寂しさを全てぼかしてくれるような感覚だ
「シロナさん…よく手を繋いでくれたんです。それで、一緒に街を歩いて……うぅ、ゔぁ…うぁぁあぁあん!!」
とうとう限界が来てしまった。洪水のように溢れる感情は目だけでなく声として口からわんわんと溢れ出していく
「今日は帰りましょう、寒くなる前に。もちろん手は繋いだままでいいですよ。」
頑張って涙を抑えながら頷き立ち上がる。それをウォロさんが掬ってくれた
「流石に歩きながらは苦でしょう?ジブンがムラまで運びますから、今は思う存分泣いてください」
「あ…りがど、ございま…ひっく、ぐ…う、えっぐ…えぐっ…」
どうしても寂しくってウォロさんの体の方へ寄れば、ぬくもりが優しく伝わってきた。
意識がふわふわしてとても眠い
「おや泣き疲れましたか、運ぶのは布団までにしましょう。」
「…ナさん…シロナさ…」
くぷりといつの間にか意識を落としてしまった。
時々頬に当たる髪の毛がこしょばゆい。
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ももすけ(プロフ) - ひなさん» やったー! (1月8日 0時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 好きです... (1月7日 22時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももすけ | 作成日時:2024年1月5日 1時