覚めるは尋ね人 ページ11
*
ぐるるっぽぉ
ううん、ねかせて
ちょげりゅ
もうちょっと、ねさせてよ
ぬるるぁるるるるるびちゃちゃ
「ぅあ!」
突如耳に刺さったヌメイルの鳴き声に思わず身を起こす
なんだなんだと耳に触れれば、穴の奥までぬるっとした嫌な感覚が伝ってきた。
「また舐めたでしょ!耳!」
「ぬんぬんゆららぅ」
きたないよ!とヌメイルを叱りながら手拭いを探す。ヌメイルの液体には毒素が若干含まれているのか、深く舐められた場所は暫く軽い炎症を起こすのだ。あれすっごく痒い
「うぅ、どうにかして癖治さなきゃなぁ…」
そんな事をぽつぽつ溢しながら耳を拭いていると、まだ外は暗闇に満ちあふれていた事に気付く。耳のことでいっぱいいっぱいだった
「こんな時間に起こしてどうしたの…?」
「ぐるっぽ!るるる」
進化したばかりなのか、羽色が少し緑混じりのジュナイパーがそっと訴えるようにこちらへ寄っきてきた。
「ぐっぷぷ、ぶろぉ」
「玄関…?玄関になにが…」
ジュナイパーの指す方をじっくり観察してみれば、戸に月光で照らされ生まれた影が伸びていた。
「ゆ"!!ゆーれ…」
「あ、起こしてしまいました?ジブンですよ!」
あまりの衝撃に、真夜中では出してはいけない音量の声を張り上げてしまう。
しかしその影の正体は幽霊でもなんでもなく、聞こえる音から察するにウォロさんだった
「へ…あっウォロさん…?」
からからと戸を横に動かせば、暗くてハッキリとではないものの、とても人懐っこい顔がこちらを覗いていた。
「こんばんは、少し訊ねたい事があったですが…迷惑でしたか?」
「うーん…あっいや、ちょうどわたしも起きたばかりなので…!」
折角のお客様さんを、それもウォロさんを門前払いするのは気が引けたため、そのまま招く事にした。
「それはありがたい!ポケモンについてのお話なのでね、ヒカリさんに問うのが正解かと!」
「そうでしたか。」
それにしてもこんな時間に人が訪ねてくるだなんてなぁ。それもウォロさん自らが…
あまりの長身はちんまりとした宿には不釣り合いで、どことなく異物のような感覚を感じた。
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ももすけ(プロフ) - ひなさん» やったー! (1月8日 0時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 好きです... (1月7日 22時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももすけ | 作成日時:2024年1月5日 1時