" ページ10
ごほ……がぁっ…うぉえ……ごこぉ………
ぁっは、ぁあ……ふ、は………
地獄がやっと終わった。膨らんだ腹と混濁する意識はより頭痛を倍増させた。
「あぁ、そんなに泣かないでください。そのうち貴方も楽しくなってきますから」
そうわたしの頬を撫でる指は、温もりこそはあっても冷たく冷酷だった
「それではまた今度。」
がち…と扉が閉められると同時にフシギダネがボールから飛び出してきた
「ふっしゃぁ!!しゃふ!」
「ありがと、大丈夫だよ…しんぱいしないで。うるさかったね。ごめんね」
酷く狼狽えているフシギダネをそっと抱きしめ、嫌なことを忘れようとした。
けれどまだ異物感の残るお腹辺りの気持ち悪さは消えなかった。
「うゔ…ひっぐ…もうやだよ……ぱぱ、まま、たすけて……」
そう助けを乞うも、こんな風に成り果ててしまった自分を受け入れてくれる人なんて。きっとどこにも存在しないでしょう。
湿気の籠もった部屋にずっと二人きり………
あのひとが来てしまったら、フシギダネを抱きしめることが出来なくなってしまう。
==============
「おねがい!返して!わたしの大切なパートナーなの!」
ふしゃあ!!と叫び声を上げ泣き叫ぶフシギダネを見つめながら、真っ黒な服を纏った男性へと懇願する
「あはは、思いの外良く鳴きますね。」
フシギダネの首元を乱暴に掴み上げている人はなんとも愉快そうに笑っていた
「おねがい!フシギダネだけでも離して!なんでもするから!」
わたしの命より大切なパートナー。この子が助かるなら己の身を挺すことだってできるはずだ
どんな痛みだって耐えるから
ぼとぼとと大粒の涙は、フシギダネの泣き声と比例して量が多くなっていく。
その瞬間、男性の目は一瞬だけ広く開いたかと思えば、ゆっくりとフシギダネは地面に足をつけることが出来た
良かった……!
安堵してフシギダネを抱きしめようと腕を伸ばす
おいで、ごめんね、怖かったでしょう
しかし、わたしの体を包んだのはフシギダネではなく、あの男性だった。
「あはは、あはははは!!実に面白い!そこまでしてこれを助けようとするなんて。本当に哀れですね!!」
え?え?
「確かフシギダネを助ける代わりになんでもすると言いましたかね」
「なら、素直に貴方の条件を飲み込みましょう。ほら、付いてきなさい」
手首を引っ張られ口に布を当てられる
その瞬間、意識が途切れた
そして、起きる頃には絶望が広がっているだろう
118人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももすけ(プロフ) - あみゃさん» 😎 (1月26日 22時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
あみゃ(プロフ) - えへへへへへカキツバタかっけぇねえへへへへへへへへへへへ (1月26日 21時) (レス) id: c068fa4c28 (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - くろわっさん@ヴァwinkPさん» 良かった〜〜〜✨お話書くのとっても楽しかったです! (1月13日 2時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん@ヴァwinkP(プロフ) - リアルに「ハッッッ!!!!!ガッッッッッ ア゚ッッ」て声出てしまった……すき〜〜〜〜!!!リョウありがとうございます〜〜〜!!! (1月13日 0時) (レス) @page44 id: d4908bd0ed (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - カフェオレさんさん» 喜んでもらえれば何よりです! (1月10日 19時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ももすけ | 作成日時:2023年12月13日 1時