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びゅうびゅうと飛行機が飛んだり降りたりを繰り返しているのが大きな窓ガラスから見えた。荷物と期待を詰め込みチケットの示している番号を見つける片手間、見送ると言ったリョウの姿を探す。

しばらく周りを見渡していると、いつものぴょんと跳ねた蛹色のアホ毛が視界に入ってきた

「良かった、最後に渡したいものがあったんだ」

肩に掛かっている鞄を漁りながらリョウくんの方へ近づく、心なしか酷く疲れているような表情だ。

「これわたしが持ってた図鑑!必要なくなったからさ、よかったら帰ってくるまでリョウくんが預かっててよ」

何度も何度もめくってボロボロになったむしポケモン図鑑を渡す。小さい頃は自分の顔以上に大きかったのに、今やこの図鑑はお手軽サイズへと変貌していった

「うん…もちろん、大切に預かるよ…」

「じゃあね!帰ってきたら沢山描いた絵見てせあげるから!」

大きく手を振りゲートの方へ駆け足で向かっていく。けれどしばらくのお別れは寂しいから何度も振り返ったりした

時々、リョウくんは口をはくはくと動かしていたがわざわざ聞きに行くほど時間はない。

前日にリョウくんに預かったケムッソの入ったボールを片手で転がしながら、未知へと期待を羽ばたかせていった




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あの時、素直に言えなかった。自分を押し殺し本音を潰す

『いかないで』

そう言えたらいくらか救いはあったかもしれないのに。


子供の頃は早くチョウみたいになりたくって、サナギみたいに布団に包まって寝ていた。いつ羽化できるのかと

けれど今は羽化するのが嫌で嫌で仕方がない

だって、羽化してしまったら羽を持ってしまう。君はポケモンじゃないからボールにいれることもできないんだ

ふわふわときれいに飛んでいって、いつの間にか君じゃなくなるような気がした。


『むしポケモンって進化が早いんだって!羨ましいなぁ』

君は一生サナギのままでいてほしかったよ…

君がもし、もしサナギのままだったら、この図鑑みたいにぎゅって包み込めるのに。


サナギはろくに動けないんだだからずっとそばにいてなんでも支えてあげるのに周りの衝撃から守ってあげられるのにずっとボクだけを頼ってボクのそばにいてそばにいてそばにいてそばにいて…!



君はチョウに進化したのに、ボクはまだサナギのままなんだ。

美しくきれいな思い出は、チョウとなってそのまま羽ばたいてしまった

パキラ→←"



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ももすけ(プロフ) - あみゃさん» 😎 (1月26日 22時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
あみゃ(プロフ) - えへへへへへカキツバタかっけぇねえへへへへへへへへへへへ (1月26日 21時) (レス) id: c068fa4c28 (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - くろわっさん@ヴァwinkPさん» 良かった〜〜〜✨お話書くのとっても楽しかったです! (1月13日 2時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん@ヴァwinkP(プロフ) - リアルに「ハッッッ!!!!!ガッッッッッ ア゚ッッ」て声出てしまった……すき〜〜〜〜!!!リョウありがとうございます〜〜〜!!! (1月13日 0時) (レス) @page44 id: d4908bd0ed (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - カフェオレさんさん» 喜んでもらえれば何よりです! (1月10日 19時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももすけ | 作成日時:2023年12月13日 1時

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