【pkmn】ヤンデレトレーナーに愛されてみよう続々 (ページ43)

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「……」

赤い少年だ。喋らなすぎて名前すら知らない

少年は帽子に募っている雪を払いながら焚き火の方へ近づいてきた。鼻先が少し赤い

「きゅら！」

主の帰りを心待ちにしていたらラプラスは、喜びを前のヒレをペチペチ叩きつけて表していた。

「あ、どうも…焚き火ありますよ…あと乾パン…」

「……」

ひー、なに言っても返事が帰ってこないよ。せめてその睨みつけるようにこっちを見るのはやめてっ

そろそろと乾パンの詰まっている缶を差し出すと、少年は一本だけ摘んでバリバリ食べ始めた。乾パンってそんな音出るんだ…

「……」

何も言わず隣にぺったりと座る。やがて乾パンを食べきったのか私の手の中にある乾パンをじっと見つめ始めた。

「あっいります…？」

「……！」

そっと銀の円柱形の缶を差し出せば、にゅっと細長い腕が中身の乾パンをいくつか取り出してくる。

お腹空いてたのかな

「ぴぅ」

「ピカチュウも食べる？」

「ちゃあ！」

火に当たりながらひたすら乾パンを齧っていると、隣に座っていた少年がラプラスと共に眠りに落ちているのを見つけた。

すうすうと規則正しい寝息を立てて、相当起きる様子がない。

……今がチャンスなのでは？

すでに手持ちの子はボールに入れてリュックに仕舞ってある。服も全て着込んで、今すぐにでも逃げ出せそうだ。

今だ。今しかチャンスはない

音を出来るだけ立てないよう支度し、洞窟へ歩む

吹き荒れていたはずの吹雪も幾分か落ち着いており絶好のチャンスだ。

洞窟を抜けても追手は来ない

これって

脱出成功…ってこと？！

やったやった！さっさとこの山から出て本部であったかいエネココア飲もう！

イノムーに雪かきを頼み足場を確保する

「できるだけ静かにねっ！帰ったらイノムーの好きなもの食べさせたげる！」

「むぅ…！」

振り返り一鳴きしたあと、ものすごいスピードでイノムーは道を作り始めた。