【pkmn】ヤンデレトレーナーに愛されてみよう続々 (ページ40)

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外へ出てみたはいいものの辺りはエントランスよりも影が強かった。今は夕日がちょうど落ちたばかりだからか。

電気が通っていないミアレシティはどこか異様で、本当にお化けが出そうな雰囲気。

人通りは少なく、シトロンくんを見つける事自体は容易だがミアレの複雑さを侮ってはならない。観光客はほぼ全員迷子になると有名でもあるからね

よく見ればサウスサイドで光が僅かに漏れ出しているのに気づく。おそらくシトロンくんが通電したのだろう

だとしたら近くにいるはず！

ぐるりと大通りを歩くのは時間が掛かる。致し方ないが裏路地を通ろう。

建物と建物の間に生まれる小道へ入り込む。この道ならまっすぐ直線に目的地まで繋がっているはずだ。

ラクライが足にくっついて邪魔をしてくるが今回は仕方ない。

「ぐやぁ…」

「大丈夫だって！ちょっと通るだけ！」

そう意気揚々と狭苦しい道を歩いていると、

突然、分かれ道の角から腕が伸びてきてわたしを思いっきり引っ張ってきた

「え？！」

「ぎるららがぁ！！」

腕の伸びてきたほうに思い切り飛び込み威嚇をし始めたはずのラクライは急に声を張るのをやめた

「ん？！え、あ！し、シトロンくん！」

流石に知り合いなら威嚇するのもやめるだろう。それとともに事件に巻き込まれる危険性がないということに酷く安堵した。

「びっくりした、いきなりだったもの。ねぇ通電はまだ終わらないの？」

「……」

一つ問いかけてみるも返事はなく、大きな丸メガネは光っているというよりも曇っている様子だ。

「……なんで」

「ん？」

「なんでまた裏路地に来たんですか！」

突然聞いたことのない怒鳴り声に酷く驚く。だってシトロンくんが怒ったことなんて一度も……

いや、ある。相当昔に。