グリーン ページ35
リクエストありがとうございます!
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どこまでも広く爽やかな笑顔を向ける君
決して頂点には立てなくっても
ひたすらに傷つきながらも走り抜ける姿
それら全てが大好きだった。
けれど
「わたし、地元で大人しく暮らそうと思うんだ。ちょっと疲れちゃった」
急に投げかけられた言葉。
ゆっくりと頭で言葉を噛み砕いている間にもお構いなしに紡がれていく
「マサラから応援してるよ。どっちがチャンピオンになるんだろうね?楽しみ」
少し窶れたその笑顔は全く生気を感じさせなかった。
酷く汗が出る
「は?ここまでやってきたのにどうして」
「どう頑張っても強くなれないの。それにフシギバナもニドクインも少し疲れちゃってる。この子たちに無理させたくない」
ころころと薄い手でボールを転がしているAは酷く悲観めいた声で胸の内を語っていた。
「みんなと一緒にマサラでのんびり休憩するよ。」
これで終わり。と話が終わってしまった
なんで…
『グリーンも旅に出るでしょ?』
いい意味でのどか、悪い意味で退屈なこの町マサラの一人の少女。
活発な彼女にはこじんまりとしたこの世界は窮屈すぎたのだろう。青い空が印象深い9歳のとき、レッドと共に旅に立つと言い出した
『ふん、レッドも行くならおれも行く』
幼い思考で誘いに乗った。勝手にライバル視しているレッドを越したいという単純な目的ではあったが
『ふふ、グリーンも行くって!たのしみだね!』
彼女はいつもレッドに引っ付いていた
『…』
あんな無口で無愛想なやつ、どこがいいんだか
『…たのしみだね』
『あはは!うん、たのしみ!』
あいつはちょっと笑ったり話したりするだけでAを喜ばせられるのに
自分にはそれができなくって
それがとっても嫌だった。憎かった。
プライドというものはいつも鋭利な刃を突き刺してくる
少しでもレッドを追い越したくて
何度も何度も傷ついてきた
多少の犠牲があっても走るのをやめなかった
なのに
『わたしね、レッドみたいに強くなりたいなぁ!フシギソウもそう思うよね?』
『ふそしゃわ!』
どんなに突っ切ってもAの眼中にすら入れなかった。
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ももすけ(プロフ) - あみゃさん» 😎 (1月26日 22時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
あみゃ(プロフ) - えへへへへへカキツバタかっけぇねえへへへへへへへへへへへ (1月26日 21時) (レス) id: c068fa4c28 (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - くろわっさん@ヴァwinkPさん» 良かった〜〜〜✨お話書くのとっても楽しかったです! (1月13日 2時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん@ヴァwinkP(プロフ) - リアルに「ハッッッ!!!!!ガッッッッッ ア゚ッッ」て声出てしまった……すき〜〜〜〜!!!リョウありがとうございます〜〜〜!!! (1月13日 0時) (レス) @page44 id: d4908bd0ed (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - カフェオレさんさん» 喜んでもらえれば何よりです! (1月10日 19時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももすけ | 作成日時:2023年12月13日 1時