【pkmn】ヤンデレトレーナーに愛されてみよう続々 (ページ30)

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「ねぇお願い、大好きって言って」

宿泊部屋のベッドへ座らせられたかと思えば、急に抱きしめてそんな事を言い出した

「どうしていきなり…」

「いいの、お願い」

シロナさんはふー、と落ち着こうとするように息を漏らした。全く同じ香水を付けてるはずなのに、汗が混じったのか嗅ぎ覚えのないような匂いが混ざってくる。

「………いやです、だってシロナさん、わたしに言ってくれないじゃないですか」

「ええそうよ。だってその程度の言葉じゃ伝わらないもの。どれくらい貴方が大切なのかって」

首元へ顔を埋められたため少しこしょぶったい。

別に、思いは伝えようとしなくてもいいのに。

『大好き』って言ってくれれば、わたしは心の底から笑えるのに

「大好きだけでいいの。愛してるとは言わなくって良い。お願い」

「……」

「いいですよ。シロナさん、愛してます」

くず、と鼻を啜るような音と共に首に水滴が付いた

「ああ、言わせてしまった。その言葉、貴方自身の意思で言って欲しかったのに……」

ごめんなさい、シロナさん

でも、わたしだって欲しい言葉がもらえないんだもの

わたしがシロナさんの要望に応える義務なんてないでしょう？

「貴方の潔白だけは奪いたくなかったの。純粋無垢な貴方を守りたかったのに」

「それを、これから自らの手で汚さなければならないなんて。」

理性を打ち負かした手は、わたしの纏っているドレスを丁寧に破った

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シロナさんはいつも泣いていた。

表情には出さず、心の中で泣いていた。

夜中、目が覚めたとき。時々シロナさんの部屋から辛い悲鳴のような声が聞こえてた

『ああ…Aちゃん、ごめんなさい……あたし、もう無理よ』

毎晩毎晩聞こえる"ソレ"

意地でもわたしに『大好き』と言おうとしない理由が良く分かった

シロナさんがわたしに向けている感情は、『大好き』と言い合えるような清いものではないのだろうと。

腫れ物のように触れる指はいつも酷く狼狽えている

きっと、

長年守ってきたこの清い身体を己の手で壊すのは

シロナさんにとって

とても後ろめたくて

恐ろしくて

なんとも甘美なことなんだろう。