【pkmn】ヤンデレトレーナーに愛されてみよう続々 (ページ28)

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「ああ、あたしが見立てた通り。とっても似合ってるわ」

大きな姿見の前に置かれた白色のスツールに座らせられながら髪を優しく梳かれる。

長い長い飛行機旅が終わり、とても豪華なホテルへ泊まることになった。

黒を基準にした客室は、梔子色のライトで上品な雰囲気を醸し出している。

姿見に映っている自分へ目をやる。

肩までぽっかり空いた長めの真っ黒なドレス

しかし光のあるところへ出てみれば、そのドレスは星のように光を照らす。所々にスパンコールがくっついていた

髪型は一部だけをゆるく結ったハーフアップ。アイロンで毛先がふわふわになった。

「ふふ、飾り付けよ！」

最後に片方の耳の上に2つの飾り物が付けられた。

「これ、シロナさんが付けてるやつ」

「そうよ。お揃いってなんだか素敵じゃない？」

ルカリオの頭から生えてるやつ。名前分かんないけど―――に似た雫型の飾り物だった。一本ラインが入っている

「うふふ、完璧！さ、これ羽織って頂戴ね。早速パーティへ向かいましょ！」

切り取られたかのように空いた肩に灰色のファーケープがそっと重なった。それと同時にふしゅふしゅとなにかをかけられる

「あたしがたまに使ってる香水。お気に入りなの」

ふす、とかけられた所を鼻に持っていくと、白南天の花のような甘く爽やかな匂いが伝ってきた。

*

ざわざわと雪崩れる人々の話し声。それに負けじと演奏される美しいヴァイオリンの音色。

それら全てが、このパーティの格式の高さを物語っている

辺りを見渡せば、誰しもが一度は見たことのあるような人が散見された。

そんな緊張感で溢れる会場に居ながらも、シロナさんはものすごい余裕を見せている。表情で分かるのだ

「そうだ、挨拶しなきゃいけない人たちがいるの。少し歩くけれど大丈夫？」

「大丈夫です」

よかった、と安堵の声と共に握りしめられていた手がより力強くなった。

カツカツ、とヒールの音は会場の上品で賑やかな笑い声によって掻き消される