カキツバタ ページ20
「ジャランゴ!ジュラルドン!今日の特訓は終わり!」
「ぎゃらおーん!」
「ぎゅららじゅ」
ダイヤモンドダストの舞う白銀の世界で技の打ち合いをしていた2匹に呼びかければ、威勢の良い鳴き声がこれでもかと響いてきた。
「ぐじぁ、じゃらおん!」
「落ち着いて、分かったから。ほらおいで、ハグしてあげる!」
毎度毎度こちらへ飛びついてくるジャランゴを落ち着かせ硬い鱗ごと抱きしめてやれば、ジャラジャラと音を立てながら全身で喜びを表現し始めた
のっしのっしと雪をかけ分けながらこちらへ寄ってきたジュラルドンへ手を差し出す
「ジュラルドンはハグしなくっていい?」
しかしぐぎゅ…と控えめな鳴き声が返ってくるばかりだ。遠慮しなくていいのに
「今はわたしが貴方のトレーナーなの。もし遠慮してるのなら、気にしなくっていいよ。」
静かに佇んでいるこのジュラルドンはわたしが直接ゲットしたわけではない。少し前に半ば無理矢理カキツバタさんに交換されたのだ。
無理矢理とはいえこの子自身に罪はまったくない。とことんかわいがってやろう。あとジャランゴともタイプ的に相性いいし…
「ぎゅらじゅや」
そ、と添えられたジュラルドンの手。少し短めの
「わ、冷たいや」
まあそれもそうだろう。だってこんな凍える世界に長時間入れば金属なら凍りつくように冷える
「あ!もしかしてわたしのこと冷やさないために断ったの?」
「じゅら」
やさしいね〜!と頭を撫でてやれば、無機質な黄色い瞳は弧を描くように細められた
「ふひぃ、ジャランゴも寒がってるし帰ろうか。部室でお菓子でも食べよう」
ぎゅんらば!と戯れついてきたジャランゴはもう抱き上げることができなくなってしまうほど成長してしまった。
心の底は寂しがっているけれど、悪いことばかりでもない。こうやってハグできるようになったのだから!
「ジュラルドンもおいで、部室でお手入れしてあげる!」
ざく、ざく、と雪を踏みしめ部室の方へ向かう
はふー、と漏れる白息はダイヤモンドダストのように輝いていた
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ももすけ(プロフ) - あみゃさん» 😎 (1月26日 22時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
あみゃ(プロフ) - えへへへへへカキツバタかっけぇねえへへへへへへへへへへへ (1月26日 21時) (レス) id: c068fa4c28 (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - くろわっさん@ヴァwinkPさん» 良かった〜〜〜✨お話書くのとっても楽しかったです! (1月13日 2時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん@ヴァwinkP(プロフ) - リアルに「ハッッッ!!!!!ガッッッッッ ア゚ッッ」て声出てしまった……すき〜〜〜〜!!!リョウありがとうございます〜〜〜!!! (1月13日 0時) (レス) @page44 id: d4908bd0ed (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - カフェオレさんさん» 喜んでもらえれば何よりです! (1月10日 19時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももすけ | 作成日時:2023年12月13日 1時