【pkmn】ヤンデレトレーナーに愛されてみよう続々 (ページ17)

今日:20 hit、昨日:68 hit、合計:39,962 hit

スグリページ17

橙色の綺麗な欠片が視界一面に広がり散ってゆく

それと同時に、目の前の少年の威勢も崩れ落ちていった

こんなはずじゃなかったのになぁ、

あなたと仲良くなりなたかっただけなのに

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

「Aは強いから鬼さまに選んでもらえたんだべ…」

ひとりぼっちの部屋の中、ぽつぽつと言えなかった本心を漏らす

「強くなったら選んで貰えんだ…強く、強くなったら…………」

Aに、選ばれるかもしれない

固い決意を表すかのように、己の視界を隠していた髪を上へと纏める

きゅ、と握りしめたボールには一匹のカミッチュが入っていた

「待っててな…」

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

「ぅう！っはあ、うう…！」

目の前の少年は突然ふらふらとしだし、全身から滝のように汗が流れていた

「え、ねぇちょっと…大丈夫？気分悪いの…？」

そう手を差し伸べるも返事はなかった。

「なーんだ、負けたの」なんて呆れた声が野外から投げつけられる。

「はぁ…！うゔ！！」

「ねぇほんと大丈夫なの？！いや大丈夫じゃないよ…！」

誰がどう見ても彼が異常なのは分かる。おぼつかない足取りは、どこかへ向かおうとしていた

「ええと、どうすればいいの？お願い、落ち着いて…！」

ぜぇ、ぜぇ…と過呼吸になっている彼の背を素早く撫でる。背中は荒波のように浮き沈みしていた

「うっ…お、れ……ぐぁ……」

なにか伝えようとしている、しかし激しすぎる呼吸は喋ることを一切許さない

「あああ…どうすれば…」

突然の出来事にパニックへ陥ってしまったわたしは、素早く最良択を選びたくって、自身でも驚くような行動に出た

「ねぇお願い…いつものスグリくんに戻ってよ…！」

「あ…うぁ……」

荒ぶっている彼を強く抱きしめ諭す

おねがい、貴方らしくないよ

しばらくして落ち着いてきたのか息が規則正しくなってきたスグリくんは、脱力していた腕をわたしの背に添えてきた

「こ、こんなはずじゃ…ちが……」

ひぐ、ひぐ、と泣き始めるスグリくんの背を再び宥める

「今は落ち着いて、おねがい。お願いだから…」