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「失礼します…」
やけに重いドアに少し苦戦しているとリザードンが手伝ってくれた。
「あ、ありがとう。毎日毎日…」
「ぎゅ!」
リザードンの手助けを受けながらゆっくり部屋の奥を覗いてみる
うん、居た。案の定、なんなら立派なチェアには座らず仁王立ちで待っているではないか
「ダンデさーん、ご要件をどうぞ」
逆光でシルエットのみではあるが、こちらへゆっくり振り向いているのだけは分かった
「ああ、A入ってくれ」
「だから、要件を」
「ない!」
……知ってたよ。だって毎朝同じことしてるもん!
「ぎゅば!!」
「ぎるるるる」
私のリザードンが思い切り部屋へ入ったかと思えばダンデくんのリザードンへ勝負を仕掛けにいってるではないか。
そうだもんね、マスター道場で訓練してる時は一回もダンデくんのリザードンに勝てなかったもんね。今度こそは打ち負かそうね
「では戻らせてくださいな、お仕事あるので…」
「それは無理なお願いだな」
なんてヘラヘラ笑いながら座れと圧をかけられているかのようにお茶が出される
「困りますって溜めたらいけない仕事なんですから」
「なんでそう敬語なんだ?昔は親しく話してくれてたのに」
はぁ、とため息を少し漏らす。あまりコンプレックスに近いものを掘り起こすのは気が引けるが…
「あのですね、私とダンデさんは上司と部下という関係です。目上の方に馴れ馴れしく話すのはどうかと思いましてね!」
半ばヤケクソだか事実は事実である。もうあのときのような兄弟子と妹弟子のような関係ではない。むしろかけ離れている存在だ
「そういうわけです。」
「そうか」
やけに冷静だなぁ、なんて考える。普通は昔から仲良くしてきた人にそんな事言われたら悲しいと思うけどな
「なら仕事をやめればいい!ああ、なんで今までそうしてこなかったんだろうな!」
…………???????
「そうすれば仕事の関係ではなくなるな、大丈夫だ責任はしっかりとらせてもらう!手続きはこっちでやっておくからAは引っ越しの準備をしててくれ!」
は??
え?なんで勝手に話進めてんの!?辞めるって言ってないよ?!
すっごくいい笑顔で退職手続きをしてる…
………「でもチャンピオンって相当稼いでるんだよなぁ」なんて邪な考えが過った私を誰が殴ってほしい
「我ながらいい考えだぜ!」
畜生、これ本人には悪気ないのがもっと質悪い…!!
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ももすけ(プロフ) - あみゃさん» 😎 (1月26日 22時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
あみゃ(プロフ) - えへへへへへカキツバタかっけぇねえへへへへへへへへへへへ (1月26日 21時) (レス) id: c068fa4c28 (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - くろわっさん@ヴァwinkPさん» 良かった〜〜〜✨お話書くのとっても楽しかったです! (1月13日 2時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん@ヴァwinkP(プロフ) - リアルに「ハッッッ!!!!!ガッッッッッ ア゚ッッ」て声出てしまった……すき〜〜〜〜!!!リョウありがとうございます〜〜〜!!! (1月13日 0時) (レス) @page44 id: d4908bd0ed (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ(プロフ) - カフェオレさんさん» 喜んでもらえれば何よりです! (1月10日 19時) (レス) id: dfacd091ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももすけ | 作成日時:2023年12月13日 1時