【pkmn】ヤンデレトレーナーに愛されてみよう続々 (ページ14)

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「ぎゅばぁ」

ううん……

「ぎゅああ！」

「ぅあ！」

突然の咆哮に驚き身を起こす

視界に拡がっていたのは、山積みの本と放置されたタオル

そして昨日食べっぱなしにしていた料理の残りと食器が散乱している自室だった。

「あぁ…夢ね…」

「ぎゅあ」

リザードンが私の頬を突きなにかを指差した

「え！もうこんな時間？！」

時計が示していた時刻は、私がいつも家を出る15分前だった。

「あぁ…！準備準備……通勤はリザードンに頼んでもいい？」

「ぎゅらあ！！！」

威勢の良い泣き声を聞きすぐさまタンスへダッシュした

ロトムスマホはメールが65件届いている、と叫んでいるが今は無視だ無視。送り主は大体見当つくからね

「いよぅし…リザードン、職場までよろしくね！」

「ぎゅおぉ！！」

そらをとぶ準備をしているリザードンの背に思いっきり乗り込む

「はぁ、メールのお返事…しなきゃだよねえ」

ばさり、ばさりと豪快に空気を切るかのように駆けていくリザードンの翼を見つめながらロトムスマホを起動する

「メールが83件ねぇ…」

支度までにそこまで掛かっていないしなにより仕事まで遅刻はありえない時間帯だ。文句のメールではない

「ま、ダンデくんのことだしいつものと変わんないよ」

『いま向かってます』と簡単な一文だけ送ってスマホロトムを閉じた。内容は相変わらずだ

「ぎゅあら！！！」

わぁびっくり。いつもは電車通勤だからリザードンがここまで飛ばせるなんて知らなかったや

……そういや師匠に素早く動くための訓練教えてもらったっけ

結局トレーナーにはなれなかったなぁ、両親は慰めてくれたけれど

「ひぃ、いつも通りの時間よ。ダンデくん怒ってないといいけどね」

社員証明書を取り出しながらリザードンへおやつを渡す

「ぎゅあ」

「はぁ、はぁ…遅れました…」

多くのリーグスタッフが仕事でてんやわんやしており私の存在に気付いていないようだ。目の前の仕事に集中している

まあかえって好都合なんだけれどね

あまり人目に晒されないよう静かに自分のデスクへそろそろと向かい、業務を始めよう

リザードンがお水を飲みに行ったタイミングで機械の電源を入れさっさと仕事を潰すことにした

ええと、確かいまはジムチャレンジ真っ最中だから昨日脱落したチャレンジャーの整理を…

「Aさーん、チャンピオンがお呼びです」

ああ…うん…わかってたよ…

「はい。リザードン、おいで」

いつもの朝だよ。