【ポケモン】派遣先のエンジュジムリーダーの様子がおかしい。 (ページ2)

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エンジュに行きます。ページ2

「それじゃあ頼むよ」

赤い毛の上司と同僚たちに挨拶しに行ってから急行列車に乗る、折角なら景色でも楽しもうかな。

多めの荷物とレパルダスともに乗り込んだ列車は少しガランとしている印象だった。

あれからいくらか時間が過ぎただろうか、コンビニで買った弁当を平らげ寝てしまい結局景色は楽しめなかった。

列車から降り早速エンジュシティのポケモンセンターへ向かう。

「長期間滞在されるA様ですね、ご予約されていた103号室の鍵です、ごゆっくりどうぞ！」

桃色のいつどこに行っても同じ顔のジョーイさんから鍵を貰い自分の部屋へ荷物を置きに行く。

「だいぶ時間もあるしそこら辺散策するか！」

ベットで寛ぐレパルダスに声をかければ、にゃぁと笑顔で答えてくれた。

エンジュジムに向かう足を少し遅くしながら歩く、エンジュシティを歩けば舞妓さんがぽつぽつとおり、どれも丁寧に飾られた飾り物やお化粧がとても可愛らしかった。

今はちょうど秋。紅葉がはんなりふんわり舞っており、時折冷たい風も吹いていた。…少し悪寒もするのは気の所為だろうか

なんだか取り憑かれているような感覚がするのだが、慣れない地だからと割り切って景色を楽しんでいた。

暫く歩いていた頃だろうか、小さな茶屋を見つけそこに入る、お土産でも買っていこうかななど鷹揚な気持ちで注文したお団子を頬張る、一緒に出された抹茶が心をじんみりと癒やしてくれる。

これはこれで良い…と紅葉と共に美味を楽しんでいると声をかけられた

「君がAちゃんかい」

「…？はい、そうですけど何故私の名前を…」

いきなり聞き慣れない声で自分の名前が飛んで来たのだから驚いた、目をやった先には細身の麹色の髪を持った男性が居る。なんだか既視感を感じるもはっきりとは覚えていない。

「マツバです、エンジュジムのジムリーダーだよ。」

口角を上げた顔にあぁ、と声が漏れる。ちょうど訪れようとした御本人ではないか。

「わざわざエンジュまで来てくれてありがとう！お隣いいかな。」

人の良さそうな顔で笑うマツバさん。別に断る理由もないためどうぞ、と少し席を開けるように横に動く。

「折角だから僕も同じ物を頼もうかな」

そう言い茶屋の店員に私と全く同じものを注文していた。

「時間もあるしお話聞かせて欲しいな」

優しく細められた目の下の縁は少し黒ずんでいた。