後日談(続き) ページ44
｢……みんなってさ、コンバスのことは兄弟だと思ってるよね？｣
｢……いきなり僕たちを呼び出して何の用かと思えば、そんな下らない質問をされるとはな。お前の無能さにはつくづく同情させられる｣
｢は？ ……ヴァイオリン、何その言い方。いくら下らない質問だからって、俺のAに向かってそんな言い方することないでしょ｣
｢あはは、チェロも下らないとは思ってるんだね……まぁ、僕も同意見だけど｣
……予想通りの反応ではあるものの、少なからず精神的ダメージが伴う。そんな私を他所に、3人は口を開いた。
｢……もちろん、『兄弟』に決まっているだろう。そんな当然のこと、わざわざ聞かれるまでもない｣
｢うん。確かに、僕らと生まれた家は違うかもしれないけど……大事な兄弟だってことに変わりはないよ｣
｢というか、わざわざ俺らにこんな質問するってことは……もしかしてコンバス、このこと気にしてた？｣
｢へぇ……さすがチェロ、鋭いね｣
｢……！ やばい、Aに褒められた……｣
照れるのを隠しきれないのか、彼は顔を隠すかのように机に突っ伏してしまった。
｢あはは……もしかして、弦楽四重奏にコンバスが入ってないからかな……？｣
｢謎にヴァイオリンが2本も入るからだよ……あーあ、実質ヴァイオリンのせいじゃん｣
｢なっ……！ 元はと言えば、お前の音の主張が激しすぎるからだろう！？ そのせいで、コンバスの入れる隙がなくなるんだ｣
｢は？ ……何それ、俺らはいつもお前のメロディーを支えてやってんのに。ねぇ、ヴィオラ？｣
｢あはは……まあまあ、2人とも落ち着きなって。仕方ないよ、バランス的な面もあるしさ。
……けど、仲間外れにしてるつもりは全然ないんだよ？ 一緒にオケで演奏するの、すごく楽しいし……本当に、大事な兄弟だって思ってるから。ね？｣
ヴィオラの言葉に、2人とも一様に頷いた。……その言葉に安心しつつ、背後のカーテンの裏に向かって声をかける。
｢……だってよ、コンバス｣
｢は……！？ い、いつからそこに……！｣
｢あはは……最初からずっと。
……ありがとう、みんな。正直、自信がなかったんだけど……今のみんなの言葉を聞いて、ようやく確信がもてたよ。僕も、みんなの兄弟なんだって｣
｢当たり前。……兄弟じゃないとか、思ったことないし｣
｢うん。ふふっ……ありがとう。すごく嬉しい｣
そう言って、彼はあの日と同じように柔らかく微笑んだ。
続く
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
