アルトクラリネットさんとの日常(⚠男主) ページ5
｢……アルクラ、そこもうちょっと音量出せない？｣
｢……はあ｣
｢何その返事、やる気あんの？
次の本番まで時間ないんだよ、分かってる？｣
｢……はい｣
｢……すみません！！｣
合奏後、自主練のために教室へと足を踏み入れた瞬間、アルトクラがものすごい勢いで謝ってきた。
｢今日の合奏、絶対私のせいですよね……｣
｢……あぁ、さっきの？ 気にしてないから大丈夫だよ。
あのコンミス、全然分かってないから。聞くだけ無駄｣
……まぁあの人トランペット吹きだし、全体のバランスとか和声なんて、気にしたこともないんだろうな。
｢でも、私がもっと優秀だったら……Aさんが怒られることも、なかったじゃないですか｣
｢……逆だよ。コンミスがもっと優秀だったら、あんな馬鹿げた指摘しなかったんじゃない。……それに俺、アルトクラをアルクラって呼ぶやつ嫌いなんだよね｣
……音量面は、楽器の構造上の問題だ。……気合いで出せるものだと思っている時点で勉強不足だ。
｢はぁ……他の兄弟はみんな優秀なのに、なんで私だけ……
……Aさんも、本当は私なんかより、クラとか……バスクラ兄さんを吹きたかったんじゃないんですか……？｣
｢あはは、まさか。……俺、アルトクラが他の楽器より劣ってるなんて、思ったことないもん。
独特な音色も大好きだし、ベースだけじゃなくて対旋律とかハーモニーとか……色んな役割ができるから｣
他の楽器はもちろん、クラリネット属の“兄弟”たちにさえもない特性だ。……本人が気付いていないだけで、彼女も何気に優秀だ。
｢で……でも、指の間隔が広いから吹きづらいし、フォルテだって上手く出せないんですよ？｣
｢……分かってないなぁ。難しいから“こそ”燃えるんだよ｣
｢えっ……どういう意味ですか？｣
｢だって……アルトクラを吹きこなせる奴なんて、俺以外にいないでしょ？ ……やばい、考えただけで興奮してきた｣
俺にとっては、どんな花形楽器よりも、彼女の音色が1番だ。裏声みたいに繊細な高音部も、繊細でありながらも素朴で暖かみのある中低音も……
｢……か、からかわないでください……｣
｢あはは、からかってないよ。
……アルトクラに対しては、いつでも本気だから｣
｢……！？｣
｢……あれ、いつの間にか菅体が温まってる……おかしいな、さっきまで冷えてたのに｣
……少し疑問に思いつつも、指摘された部分の練習を始めたのだった。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
