オーボエさんとファゴットさんの日常 ページ32
｢ごめん……その、私だって悪いとは思ってるよ？ けど、これは仕方な……｣
｢ふぅん……で、言い訳はそれだけ？｣
……この前のメンテナンスに引き続き、またもやタイミング悪く貸し出し依頼が入ってしまったため、オーボエはかなりご立腹の様子だ。
｢本当にごめん……でも、今回の相手はファゴットだから、ね？ お願いだから機嫌直して……｣
｢……え、ファゴット？
なんだ、それなら早く言ってくれればいいのに｣
……オーボエは秒で機嫌を直し、行儀よく机の上へと腰掛けた。その様子を見てほっとため息をつきながら、楽器庫からファゴットのケースを運び入れた。
｢おはよう、ファゴット。……まさか相手がファゴットだなんて思わなかった｣
｢おはよう。……ごめんね、オーボエくん。やっぱり、僕がいると邪魔……かな｣
｢まさか、そんなわけないじゃん。
……どちらかと言うと、悪いのはAだし｣
｢うぅ、だからごめんて……｣
……当分許してくれそうにないオーボエに謝りつつ、2人の状態をチェックしていく。その間も、2人は楽しそうに会話に花を咲かせていた。
｢……ファゴット、最近リードどう？｣
｢全然。……冬は、ただでさえ乾燥がひどいのに、寒さも相まってすぐ寿命が来ちゃうんだよね……最近は、専ら樹脂リードに頼りっぱなしだよ｣
｢分かる、俺も最近は樹脂リード使ってる。……ワンシーズンくらいは乗り切れるかな｣
｢どうだろう。……まぁ、最近はAちゃんが加湿器焚いてくれてるから、かなりマシになった……と思うよ｣
……クールでいて繊細、一匹狼タイプのオーボエと、温和でマイペース、いわゆる“不思議ちゃん”なファゴット。
タイプの違う2人ではあるが、不思議と仲がいい。同じダブルリード楽器ということもあるのだろうが……それ以上に、2人の相性が良いのだろう。
｢……2人って本当に仲良いよね。昔からこんな感じなの？｣
｢いや、結構最近。……ファゴットが出てきたのって、せいぜい19世紀かそこらだし｣
……どうやら、彼にとって200年前は“最近”の範疇のようである。
｢……そうだね。
ファゴットには、ドイツ式とフランス式の2種類がある。
両者の区別のため、フランス式はバソンと呼ばれることが多いが、同じ楽器から派生した彼らは、正真正銘の双子の姉弟。……ちなみにドイツ式が弟、フランス式がお姉ちゃんである。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
