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｢その声……ヴァイオリンか。久しぶりだな。元気にしてたか？｣
｢ふん、貴様に言われるまでもない。
……それよりも、貴様の方こそどうなんだ。どうせ、酒に溺れて自堕落な生活を送っているのだろう？｣
｢はは、耳が痛ぇな。……ま、その通りだからなんも言えねぇんだけどさ｣
似たような服を身にまとい、そっくりな顔立ちの兄と弟。……こうして見ると、2人が呼び名が違うだけで全く『同じ楽器』であることを改めて認識させられる。
｢……それより、そこの人間と何を話していたんだ？｣
｢そりゃあお前……コイツと2人っきりでやることなんか、ひとつしかねぇだろ？
…………メンテだよ、メンテ。はー、ひでぇ目に合った……お前ら、よくアレに耐えられるよな……｣
｢楽器である以上、メンテナンスは避けては通れない。
……どうしようと貴様の勝手だが、そのままではいつか取り返しのつかないことになるぞ｣
……厳しい態度とは裏腹に、
｢いや、まぁそれはそうなんだけどさ……考えてもみろよ。普段メンテどころか手入れすらマトモにされてねぇのに、いきなりあんな風に優しく扱われるんだぜ？
……怖ぇんだよ。普段の扱いじゃあ、もう満足できなくなっちまいそうで｣
いつもの飄々とした笑みとは一転、彼の表情に暗い影が落とされる。……それを見た私は、半ば無意識に言葉を発していた。
｢……別に、ずっとここにいてもいいのに。毎日メンテすれば、すぐに慣れると思うよ？｣
｢勘弁してくれ……てかそんなことしたら、オレのアイデンティティ丸つぶれじゃねぇか｣
｢……お酒が欲しいなら、いくらでも用意する。メンテだって、嫌なら必要最低限で済ませるよ。だから……｣
｢……っはは、いつになく必死だな、A。
んだよ、そんなにオレと一緒にいてぇのか？ 見かけによらず可愛いとこあんじゃねぇか｣
｢…………｣
＿＿＿＿
そう言って、ぐしゃぐしゃと私の頭をなでる。……まただ。何度この話を持ちかけても、上手くかわされてしまう。
どう返したものかと考えあぐねていたそのとき＿＿＿＿
頭上でパシッ、と乾いた音がした。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
