チューバさんとの日常 ページ26
｢よいしょっ……と｣
｢……A、大丈夫か？ いつも無理をさせてしまってすまない｣
｢あはは、平気だよ。ピアノとかハープさんに比べたら、全然重くないし｣
｢……そうか。お前は相変わらず優しいな｣
チューバはそう言って、少しだけ口角を緩めた。
……約10kgもある菅体と、柔らかく深みのある低音が特徴の彼女は、真面目で芯が強い性格だ。
彼女はクールな見た目に反して、優しく繊細な心の持ち主だ。……こうして心配の言葉をかけてくれるだけで、疲れた心身を癒すには十分だった。
｢ふふ……その言葉、そっくりそのまま返すよ。
けど、今日のメンテがチューバでよかったな。ほら、この前までハープさんの弦の張替え作業やってたからさ……｣
｢そうだったのか……ハープの相手は大変そうだな｣
｢あはは、まぁね……けど、みんなと話してると、色々なことに気付かされるよ。例えば……チューバが今何か悩んでるみたい、とかね｣
｢……！ やはり気付かれてしまったか。お前にだけは、どうも隠しごとができないな。
取り立てて話すようなことでもないのだが……作業の暇つぶしくらいにはなるだろうか？｣
その言葉に頷くと、彼女は少し迷う素振りを見せながらもこう問いかけてきた。
｢その……私は、他の楽器から見ると怖い存在なのだろうか｣
｢えっ、なんで？｣
突然のセリフに驚きが隠せず、つい聞き返してしまった。
｢……他の楽器に話しかける時、いつもその相手を萎縮させてしまうんだ。テナーサックスにも『もっと愛想良くした方がいい』と言われてしまってな｣
チューバは、心底嫌そうに舌打ちしながらそう言った。
……そう言えば、ユーフォの親権問題で揉めてたんだっけ。
｢チッ……あの男に言われたのは屈辱的だが、私にも正直思うところはあったからな……その場では何も言い返せなかったんだ。
今さらこの性分を直せるとは、到底思えないが……ひとまず、お前の意見を聞かせてくれないか？｣
｢……私は、別に直さなくてもいいと思うけどな。
確かに第一印象は怖いかもしれないけど……こうして対話を重ねれば、きっと伝わるよ。
チューバの優しいところも……『可愛いもの好き』なところもね｣
｢……それは勘弁してくれ……お前以外、誰にも言っていないんだ｣
クールな見た目に反して、彼女は『可愛いもの』にかなり目がない。犬や猫などの動物はもちろん、ミジンコのような微生物まで、その好みは多岐にわたる。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
