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after:雨上がり ページ45





朝はあんなに晴れていたのに、授業が終わる頃には小雨。
部活が終わる頃には土砂降りとなってしまった。




『傘持ってきた?』

「持ってきたと思うっスか?」

『分かってた』




期待はしていなかったが隣にいる黄瀬に尋ねると、やっぱり傘は持っていなかった。

天気予報では夕方から土砂降りとはっきり言っていたらしいが、生憎私も黄瀬も基本朝は大忙しなのでテレビを見ている暇はない。
そんな暇があったら一分一秒でも寝る時間に費やす。




『私の家の方が近かったよね?まずはそこまで走るぞ!!』

「了解っス!はぁぁ憂鬱ぅ」

『それなぁ』























「うっわ、びっしょびしょ」

『風呂入っておいでよ』

「一緒に?」

『一人で』

「えぇ〜」




合宿でからかった時に見せたあの驚いた初心な顔はどこにいったのか。


全速力で走って何とか家に着いた。
真冬の雨の中、びしょ濡れになりながら帰ったことある?まじで地獄だ寒すぎる。

私が全速力を出しても黄瀬には軽いランニング程度なので、こんな時自分の運動神経の悪さを恨む。




『びぇっくしょい!!!』

「………本当Aっちのくしゃみってよく分かんないっスよね」




毎回出方が変わる、とくすくす笑う黄瀬を一回殴る。
帰ってきてからすぐに暖房をつけたが未だに部屋は暖かくならない。




「やっぱ風呂一緒に入ろ?」

『は』

「寒いんでしょ?風邪ひくっスよ」

『いやいいよ、暖房つけたし』

「Aっちは俺に早く風呂に入ってきてほしい。俺はAっちに早く温まってほしい。これもう一緒に入るしかなくないっスか?win-winっスよ!」




ね?と子どもを言い聞かせるように、私の目線に合わせて優しく笑う黄瀬。

この目、本当に苦手だ。
何もかも見透かされているようで、何もかも許してしまいそうになる。




『じゃあ私先に入っていい?』

「こんなびしょ濡れの客人置いて先に入っちゃうんスかァ?」

負けじと反論するも、バッサリ論破される。

「俺は心配してんスよ〜」と本当に思っているのかいないのか分からない言葉をペラペラと口から出し、私を納得させようとする。



こうなってしまった黄瀬はもう誰にも止めることはできず、こちらが折れるしかない。

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設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太 , 海常高校   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - らてさん» とても素敵なコメントありがとうございます!他のメンバーのお話も考えております。ご期待に応えられるか分かりませんが頑張ります!ありがとうございます!! (2023年1月24日 7時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
らて(プロフ) - とっても面白いしドキドキしました。黄瀬くんも他の黒バスメンバーももっと大好きになりました。素敵な時間をありがとうございました!!!続編や他のメンバーのお話もぜひ見たいです、無理せず頑張ってください、応援してます! (2023年1月8日 0時) (レス) @page47 id: f9f6bd1b23 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みかんさん» そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいです( ¨̮ )ありがとうございます!!! (2022年6月24日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 涼太大好き!!!私元々黄瀬君のこそ好きでしたけどこの作品読んでもっと好きになりました!頑張ってください! (2022年6月23日 21時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みかんさん» わー!ありがとうございます!!涼太ぁぁ! (2022年6月22日 23時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年12月4日 22時

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