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きっかけはインターハイかな。



桐皇と戦った後、さつきは見ていたと思うけれど足に負担がかかりすぎて黄瀬は立てなくなっていた。

笠松先輩に支えてもらって私も後ろについていき、黄瀬を控え室のベンチに下ろすと彼は座ったまま私をぎゅっと強く抱きしめ、立っている私のお腹に顔を埋めて赤子のように泣きながらごめん、ごめん、と何度も謝ってきた。


誰も、何も間違っていないのに、綺麗な顔が涙でぐしゃぐしゃになっているのに、必死に謝ってくるの。

私より黄瀬の方が悔しいはずなのに、こんな時まで私を気遣う優しすぎる馬鹿に目頭が熱くなって私も抱きしめ返した。


勝たせてあげたかった、って何度も思った。



インターハイが終わってからもあまり自覚はなかったけれど、夏休みの合宿の時にはもう自分の気持ちに気づいていたと思う。

気づいていなかったら最終日、海であんな大胆なことしないし。


…………でもその気持ちに蓋をした。




「どうして…お互い想いあってるのに、どうして付き合わないの……?」

『怖いんだ』




出会いがあれば、別れがある。

恋人はいつでもその関係が壊れてしまう危険が常に付きまとっている。

今まで何回か付き合ったことはあるけれど、皆長くは続かなかった。私と付き合えば自慢出来るって顔だけの人もいれば私の身体目的の人だっていた。


………灰崎くんとのこともあったしね。

黄瀬はそんな人じゃないってことは充分、分かってるはずなのに。

それに、






『付き合えないよ』






いくら周りが応援してるからって、いくら私が黄瀬を好きだからって………。

叶わないんだ。





『だって黄瀬が好きなのは、黄瀬に興味がない私だから』

「そんなこと……っ」




そんなことないよ、A。

さつきは口に出さなかった。否、出せなかった。
言ったところで自分にはどうすることも出来ない。そう思っていたから。




「俺、そんなにドMに見えるっスか」

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設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太 , 海常高校   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - らてさん» とても素敵なコメントありがとうございます!他のメンバーのお話も考えております。ご期待に応えられるか分かりませんが頑張ります!ありがとうございます!! (2023年1月24日 7時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
らて(プロフ) - とっても面白いしドキドキしました。黄瀬くんも他の黒バスメンバーももっと大好きになりました。素敵な時間をありがとうございました!!!続編や他のメンバーのお話もぜひ見たいです、無理せず頑張ってください、応援してます! (2023年1月8日 0時) (レス) @page47 id: f9f6bd1b23 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みかんさん» そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいです( ¨̮ )ありがとうございます!!! (2022年6月24日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 涼太大好き!!!私元々黄瀬君のこそ好きでしたけどこの作品読んでもっと好きになりました!頑張ってください! (2022年6月23日 21時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みかんさん» わー!ありがとうございます!!涼太ぁぁ! (2022年6月22日 23時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年12月4日 22時

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