好きなんスもん【黄瀬涼太】

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『監督、対戦校のDVD探して用意してきます』

「あぁ任せた」




放課後皆が練習中、監督に一言告げてから体育館を出て一人で部室に向かう。


神奈川県予選は特に何の問題も起きず、ウィンターカップの切符を手に入れた。ウィンターカップも着々と勝ち進んでいき、準々決勝まで進んだ。

次の相手は“福田総合学園”。
静岡県の代表校で、今までの成績はウィンターカップ準々決勝出場。さらにここ最近で急激に強くなったらしい。

桐皇や秀徳のように、キセキの世代の誰かを取り入れたのか。しかしキセキの世代の中で福田総合に行った人はいない。


では外国人選手を取り入れたのか。

私はさつきみたいに情報収集力や分析能力が高いわけでもないから考えていても仕方ない。


そんなことを考えながら部室でDVDを探す。




『……あった』




段ボールに入っていた大量のDVDの中から「福田総合」と書かれたDVDをいくつか見つけ、いつもDVDを見る時に使っている空き教室に行く。


…………ちょっとくらいなら、見てもいいよね……？






自身の手に持っているDVDの好奇心に負け、皆が来る一足先にDVDプレーヤーの再生ボタンを押した。

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