116話 ページ32
Aの心が完全に折れた可能性は十分ありえる。
当たり前に他人に好きだと言えるような奴なのだ。
ノーマンが死んだのは自分のせい、なんて今頃考えているかもしれない。
ちらりと時計を見る。
余裕をかましている時間はない。
ふぅ、と息を吐いて、レイはすぐに気持ちを切り替えた。
「彼奴は後だ。脱出はどこまで進んでいる？」
「道具と食料、防寒具
全部ドンとギルダが用意してくれた。それに訓練も…何かするのは全部してくれた」
ママは一番に最年長を監視した。そこに力を注いだ。
けれどどんなに頑張っても限界がある。
目が２つと限られているなら、どう足掻いても警戒が最年長に向くほど、他は手薄にならざるを得ないのだ。
だからエマ達は何もしなかった。
それが一番良い行動だったからだ。
「上出来じゃないか」
説明を聞いたレイが感心したように言った。
「あとは方法だな。どう逃げるか」
「出る策も練った」
すかさずエマが答え、まっすぐ前を見据える。
「明日の昼、ここから出よう」
出荷に行くのは夕飯を食べた後。
その数時間前のギリギリに、この鳥籠から抜け出すのだ。
「待て。昼に出るのか」
しかしそれをレイは手を挙げて制止した。
「無茶だ。以前とは状況が違う
俺は出るなら夜だと思う」
眉を顰めるエマに、レイが怪我の足を配慮してか座るよう促す。
エマが大人しく椅子に腰掛けて、レイは「いいか」と言い聞かせるように続けた。
「塀の先は崖だ。そこからは降りられない
逃げるなら「橋」から。でもその「橋」は一つだけ、しかも
……これが今、俺達が置かれた状況だ」
その通りだとエマが頷く。
「で、問題は２つ
�．泪泙量� と ��橋の警備」
「�，婆簑蠅覆里蓮峪簔�への監視」とに常に
昼間もそうだし、ママは夜も赤ちゃんと同じ部屋」
「だからまず逃げるには ママの監視をふりきって逃げなきゃならねぇし、ママとチビ達を切り離さねぇ限り、全員の脱走は難しい
次に��
唯一の道だ。元から見張りは置いてるだろうし、脱走騒ぎが起きりゃ必ず警備が殺到する
…そうでなくても本部の先だ。近くにあの化け物がウジャウジャいる」
つまり、とレイが一拍置く。
「ママに止められたら終わり
本部へ脱走の通報をされたら終わり
橋で見つかったら終わり」
普通で考えれば「不可能」なのである。
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凛香奈 - 続編楽しみにしてます！ (2021年1月22日 19時) (
レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ - 最高。絵上手すぎです！面白すぎてハゲそう(真顔。更新楽しみにしてます！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: 00337bf9fd (このIDを非表示/違反報告)
トエル・タウ - ノーマンと夢主ちゃんの関係、ぼたぼた涙が出てきました…。どうか幸せになってくれ…。 (2020年7月24日 14時) (レス) id: fc7aaf8032 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2020年6月29日 17時) (レス) id: 0aa8d61485 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごーーく面白いです！！約ネバ好きのレイ推しなのですっごく嬉しいです！Rain (2020年6月16日 18時) (レス) id: a884ba806a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レレ | 作成日時：2019年8月29日 16時
