ー関西の紅一点の物語Ⅴ ー (ページ3)

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○ 進路相談会ページ3

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8年前

「じょおくん、」

お仕事終わりに勉強を教えて貰っていた丈くんにとあることを尋ねた

「わたし、大学行きたいんか分からんくなってきた」

藤原「 ……どういうこと？」

「将来のこと考えたらそりゃ大学行くことって絶対大事やし損にはならんやろ？」

「でも最近さ、潤くんとお話させてもらったり、演出してるのみたら私もああいうのやりたいなあ、とか思ってさ」

「アイドルやめた後も、この世界に何か貢献したいなって考えたら、演出の専門とかもありなんかなあ、って。」

藤原「専門か、…… まあ、アリなんちゃう？」

予想外の反応にぽかんとしてしまって、

ってまあ、反対されるとも思ってたわけじゃないけど。

「いいんかな、ここまでやってきたのに」

藤原「まあ、それはそうやけど。

Aは俺より全然頭もええし、目指してるんも国公立やろ？

やから専門ってなるとやってきたことは使わんかもしれんけど、どっかで役に立つよ。」

「うーん、」

藤原「やらずに後悔するよりは、やって後悔した方がええと思うで、俺は。」

そう話しながら、大学の課題に目を落とした丈くんの横顔はなんとなく寂しそうやった。

この頃から丈くんが就職考えてたのも知ってたし、
周りと先の話をしだしたのもこのくらいの時。

結局、せっかく進学するならやりたいことやった方がいいって結論出して、専門行ったんやっけな。

.

「専門は行って良かったと思ってるよ。今なにわにも貢献出来てるわけやし」

大橋「俺も、大学落ちてよかったわ。」

「人生何あるか分からんからな」

その分、後悔しやんようにやりたいことはやっていかんと。

「よしゃー、大晴卒論書き終えた祝いに奢っても〜らお！」

藤原「それ普通お前が奢んねん」

私の人生やけど、私だけの人生やない。

周りのことを考えつつ、自分のやりたいように生きるって、あの時からずっと決めてんねん。