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和「速攻断られたぁ。残念!」
『スポンジ焼けたぁ。アップルパイやろぉ』
にのを無視して、Aちゃんが家とは違う使い慣れないキッチンで手際良くやる姿に
一緒に店を切り盛りしてる風で、何だかおしどり夫婦みたいじゃね?
とか勝手に思ってニヤついた俺を、コーヒーカップ越しに、にのが見ていた。
「んだよ」
和「お潤は本当にわかりやすいねぇ。可愛くて好きだよ?」
「気持ち悪りぃからやめろ」
『私は男性同士のそういうの、嫌いじゃないです。尊くて』
冷めたりんごをパイ生地に包みながら、ニコニコしてそう言う。
和「あら、そうなの?」
『ありきたりで申し訳ないですけど、ただしイケメン同士に限ると常套句が付きますが(笑)』
和「あー、分かる。AVの……」
「あーーーーーーー!!!」
和「3Pで男、女、女で、その女の子も可愛いと興奮するもんね!ね、潤くん!」
AVと言った時点でやばいと思って、Aちゃんの耳を塞いで、大声を出したけど
それを超えるくらいの大きい声で、にのが言ってきた……。
ふざけんな!(笑)
「俺に振るんじゃねぇ!」
『えっと……私、聞こえなかったことにしときますね……(笑)』
やっぱり俺の防御は無駄だったらしく、耳を赤くして、俯いたAちゃん。
下品な話題をAちゃんに聞かすんじゃないよ!
気まず過ぎる雰囲気を漂わせつつ
Aちゃんはテキパキとケーキを作り続けて
俺も下拵えを済ませていく。
和「わぁ!ロールケーキうまく丸めるねぇ」
『ありがとうございます。ちょっと冷蔵庫で冷やして出来上がりです。余ると思うので、良かった二宮さんも持って帰ってくださいね』
和「マジ?やった!」
『バレンタインです。義理ですが』
和「えぇ!本命でも良いのに(笑)」
「一生義理だから」
和「だって!潤くん酷いね、Aちゃん」
『意地悪は好きの裏返しですから大丈夫ですよ(笑)』
俺とにのの言い合いに楽しそうに笑ってくれてる。
「Aちゃんにはしないじゃん、意地悪」
『されても困りますけどね(笑)あ、アップルパイ出来た!わぁ……見て!上手に焼けたぁ』
オーブンから出して、俺たちに見せてくれた。
物凄く良い焼き加減で、食べなくても、美味しいって分かるアップルパイ。
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作者名:鈴 | 作成日時:2020年12月16日 14時