ヒメユリコンペティション2【ars/K.N&S.S】 (ページ23)

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和「ありがと」

『ん。ビール、良かったら勝手に開けて飲んで？冷蔵庫にグラスも冷えてるから』

和「え、冷やしてくれたの？」

『ううん、常に冷えてんの(笑)』

和「くっふふ、さすが(笑)」

『シャワー浴びてくる。テレビもよかったら観てて』

和「はいよ」

せっかくだからビールを飲もうと冷蔵庫を開けたら

上半分に缶ビールがみっちり、数個のグラスがしっかり冷やされてて……(笑)

こりゃマジの酒飲みだと、思わず笑いが漏れた。

自炊も頻繁にしているのか、調味料も揃えられていて

作り置きの物も入っている。

今度食べさせてもらおうと思って、ビールを飲んだ。

テレビを観ながら、ソファーに座ってビールを飲んでたらAが出てきた。

『あっつー』

そう言いながら、Aも冷蔵庫を開けて

ビールをグラスに移してから、美味しそうに喉を鳴らして飲んだ。

部屋着なのか、大きめのノースリーブのワンピースの上から、パーカーをさらっと着ていて

別に肌をそこまで露出してるわけじゃないのに

時々見える肩が色っぽさを醸し出している。

和「本当にうまそうに飲むね」

『お風呂上がりのビールは格別じゃないですか？仕事終わりのビールとは別で』

和「確かにねぇ。後は寝るだけだーみたいな」

『そうそう。何観てるの？あ、これ好きー！』

和「面白いよね！」

俺の隣に膝を抱えて座って、深夜のバラエティ番組を観る。

『あ、何か食べる？人が作ったもの食べれる人？それか何か頼む？』

和「え、いいの？んじゃあ、冷蔵庫に入ってたの食べたい！」

『そんなので良いの？昨日の揚げ物だよ？なんか作ろうか？』

眉間に皺を寄せ、不思議そうな顔をする。

和「マジ？やった。男の一人暮らしには手料理より嬉しいもんないから」

『大したもの作れないですよ。買い物行ってないから』

和「いいよ。気持ちが嬉しい」

『ふーん。じゃあちょっと待ってて』

キッチンに入ると、軽く湿っていた肩までの髪を後ろで一つに纏めた。

そのさりげない仕草が、ありきたりだけど弱いよね、男は。

しばらくすると美味しそうなおつまみが並べられる。

えー、なに、まじで最高じゃん。

良い匂い～。

『お口に合うかどうか』

和「うまそうよ？いただきまーす。んー、ほら、うまい」

『良かった』

初めてここにきたのに、そうとは思えないほど居心地が良いし

ずっと前から一緒だったかのような自然な会話もいい。