ヒメユリコンペティション2【ars/K.N&S.S】 (ページ20)

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和「……いい嘘もあるよ？」

『いい嘘なんて、受け取り方次第じゃん』

和「まぁね」

『ねぇ？』

和「ん？」

『私の……どこが好きなの？』

そう言ったA先生の真っ赤な唇がついに一瞬、頬に触れた。

酔って距離感が馬鹿になったのか、俺が横向いたらキス出来ちゃうんだけど。

しかも、右手を太腿にそっと添えてくる。

その手つきがめちゃくちゃえろくて、マジで理性がなくなりそう。

完全に酔うとこういうタイプか……。

すげー良いじゃん。

キスしたいのを我慢して、酔ってる人に聞いてもらえるか分かんないけど

ちゃんと答える。

和「んー。仕草とか、笑った顔とか？まぁ考え方も好きだし……。まだよく知らないことも多いけどさ？好きに理由いらないでしょ？気づいたら好きなんだもん。仕方なくね？」

『んっふふ』

和「何よ(笑)」

俺から身体を離して、テーブルに両肘をついて、楽しそうに見てくる。

『んー？酔ってるからすごく気分がいいなぁって。あー、こんな風に言ってくれる人がいて、自分も愛されたいって思ってるのに、どうして私の首は縦に振れないのかなぁって』

和「愛されたいなら、全力で愛しますよ？鬱陶しいくらいに貴女を。だからとりあえずさ？あと一個だけマジック見てよ」

『いいよ？』

俺の手元をじっと見て、タネを見抜こうとしてるけど、酔った頭ではきっと無理。

和「このトランプね？ある数字だけ、表になるから。よく見てて？」

これを酔っ払いに見せて、うまくいくかわかんないけど、一か八かにかける。

何度か切ってから弾いて

最初に表になったトランプをA先生の目の前に滑らすように置いた。

『ハートのクイーン？』

和「そう。あと2枚、見つけるよ？」

さっきと同じことを繰り返す。

和「次はこれ」

『うん』

和「そ。最後はこれ」

『え、これ……？』

和「そう。A先生、お誕生日おめでとう」

『……え？』

和「今日、貴女お誕生日でしょ？(笑)自分の誕生日忘れてた？」

俺の目をじっと見て、一瞬沈黙したと思ったら、口元を手で押さえて、大笑いした。

こういう仕草が女性らしくて、魅力的。

『ぅわー。仕事だったから忘れてたぁ(笑)あーあ、独身のまま、ついに30になっちゃった……』

さっきA先生がトイレに立った時思い出したんだよね。

でもいくら話しててもその話題にはならなかったから

忘れてるんだろうと思って、簡単だけどやってみた。