ヒメユリコンペティション2【ars/K.N&S.S】 (ページ13)

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和「エレキまでいけんのか、すげーな」

翔「A先生、可愛いー。可愛いA先生にいかついエレキのギャップがまたいいなぁ。眼鏡姿もなかなか見られないし。いちいちいいわー」

和「可愛いけど。どっちかというと美人じゃね？」

潤「んっふふ、貴方たちが惚れた女性はなかなかイケてますねぇ？」

和「え？何で？！」

俺この人にA先生のこと言ったっけ？と焦る俺に、悪戯な笑顔をしてきた。

潤「私の観察力を舐めないでくださいよ。心理カウンセラーですよ？」

和「……忘れてました」

俺が動揺してる間に、生徒たちに押し切られて、チューニングを済ませ

楽譜と音の確認をしながら、A先生が生徒たちに話しかけている。

『一言だけ。来年こそは、もうどの楽器もやりたくないので、お願いだから誰か軽音サークルに入ってください。初心者大歓迎です。キーボード、ギター、ベース、エレキ、ドラム、ボーカル、全て丁寧に教えますので。だからお願い！マジで入って？ね？(笑)』

困った笑顔で言うA先生のお願いに、生徒たちが適当に声を上げて応えてる。

いや、A先生には悪いけど、俺的には来年もA先生が見たいから

どこのポジションでもいいから欠けていてくれと思う(笑)

＊「それでは聞いてください」

生徒のその合図でA先生がゆっくりと目を閉じて、呼吸を整える。

パソコンのボタンを押した直後、エレキをかき鳴らし、歌い出した。

それは最近すごく流行っている曲で、俺も何度も聞いていた。

生徒たちはもちろん知っている曲だから大盛り上がり。

そして、A先生の本気の歌声と指使いに驚いた。

練習してないレベルじゃないし、うますぎて鳥肌が立った。

翔「本気で歌ってるとこ、初めて聞いた……」

和「うますぎ……」

潤「こりゃお金払いたいなー(笑)」

圧巻とはこのことかと思うほどで

生徒たちにもそれが分かるのか、終わると大きな拍手でいっぱいだった。

『ちょっと失敗しちゃったぁ(笑)ごめんね？じゃあ私は持ち場に戻りますので、残りの時間楽しんで。じゃあね？』

さっさとエレキを返し、自分の机とパソコンを持って、袖に引っ込んでしまった。

うわー、もうちょい聞きたかったなぁ。

翔「え、どうしよう。もっかい告ろうかな。好きが溢れた」

和「しつこいぞ、やめとけ」

翔「あー、俺に取られるの嫌なんだ(笑)」