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朝、気だるい身体を引きずって鏡を見たら、まぁひどい顔。
目は腫れてるわ、顔もむくんでるわ最悪。
お化粧のノリも悪い。
『あぁ、もぉ……』
小さくため息を漏らしたところで、何にも変わんない顔も状況も嫌になった。
けどこんなんでも仕事しなくちゃいけない。
しかも歩きだし。
はぁ、本当最悪。
あーーー！仕事頑張ろ！！
・
あの後Aが帰ってくるかもって、リビングのソファーで寝てたけど結局帰ってこなかった。
寝起きが最強に悪いA
手際よく家事をこなすA
Aの手には少し大きいマグカップを両手で持ってコーヒーを飲む可愛い姿
行ってきますってふわふわ笑うA
家中探してもどこにもいない。
何度も連絡しようとしたけど、あんな感じで出て行かれたのが初めてだから
しても無視されるかなって思って、怖くて携帯を握りしめて待つことしか出来なかった。
本当、弱えな。
ねぇ、今、どこで、誰といんの？何してんの？
A、お願いだから、帰ってきて……。
Aと喧嘩したからって仕事を休めるわけないから顔を洗いに行くと
「ぅわ、目ぇ真っ赤。うさぎみてぇ」
こんな顔で行ったら何があったかすぐバレるな。
「あーぁ、んとにもー！！」
自分の不甲斐なさを取っ払おうと、部屋に響き渡るくらい叫んだけど
その声はただただ虚しく耳に纏わり付いただけだった。
マ「おはようございます……って目ぇ真っ赤じゃないっすか！どうしたんすか！目薬そこにあるんでちゃんと差してくださいよ？」
「ん」
マネージャーに言われた通り、目薬を差すといつもよりやけに目に刺激が伝わってきた。
マ「もー、何があったんすか。Aさんですか？もうすぐ誕生日でプロポーズするんでしょ？そんなんで大丈夫なんですか？」
「やべーかも。A、出てった」
目から垂れる目薬を拭きながら答える。
マ「えーーー！！何でー！？」
「あぁ？結婚願望あるかないか聞いたらちょっと曖昧な答えでイラついて……そしたらAも怒っちゃって。で、咄嗟に出てけなんて言ったら、本当に出てった」
マ「はぁ？何やってんすか！どうするんですか？とっくに事務所の許可は下りてるんですよ！？あんなに頑張ったのに！今年の20周年コンサート終わったら本当に結婚出来るんですよ？！もう今年ですよ？！」
「分かってるよ」
マ「はぁ？とりあえず！！仕事だけはしっかりしてくださいよ！？」
「ん、分かってる」
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作者名：鈴
| 作成日時：2015年7月28日 20時
