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ピアノの椅子に座って、鍵盤に指をゆっくり置こうとしたら
＊「付き合ってるでしょ、それは！」
＊「どっちから？！やっぱ櫻井先生から？」
＊「なんて言ったの？！」
俺を囲んで、息つく間もなく質問してくる生徒たち。
翔「あのなー。何回も言うけど、付き合ってないの。俺が友達の結婚式でピアノ頼まれたから、教えてもらってるだーけ。しつこいぞ」
＊「とか言ってぇ(笑)」
＊「大丈夫だよ、誰にも言わないから(笑)」
矢継ぎ早に言われる事実でないこと。
……ほんとは事実であって欲しいこと。
男子生徒たちが俺の肩を両脇から組んできて、耳元で囁く。
＊「A先生に制服、今年も着せるからね？(笑)楽しみにしてて♡」
＊「櫻井先生は、ミニがお好みですか？」
そんなん、もちろんミニだよ！！
異論なくミニだね！！
惜しげもなく白い腿を露わにしてくれよ。
そして足を組んでギター弾けよ。
歯形がつくほど噛んでやりたいよ。
と、当たり前だけど言えるはずもないから
翔「どっちだって良いけどさ、暑いから離れてくんない？(笑)」
話を逸らしたくて、生徒たちの身体を振り払う。
クーラーは効いているが、やっぱりくっつかれると暑いし
それに思春期独特の男臭がヤダ(笑)
＊「まぁ、付き合ってたらパンツの中も見てるからそんなもんじゃ興奮しないかぁ(笑)」
＊「A先生って、M？S？」
＊「櫻井先生がSっぽいから、いじめちゃう感じ？」
翔「だーかーらー！話聞けよ。付き合ってないの。あんま言うとマジで怒るぞー。俺とA先生が付き合うわけないだろ？変な噂立てんなよ。迷惑だろ」
俺がそう言い聞かせていると、タイミング良く？
A先生が戻ってきて、優しく続けて言う。
どうやらパンツのところら辺は聞いてなさそうだからよかったー。
『そうだよー。櫻井先生が、私をそんな風に思ってるわけないでしょ？櫻井先生の言う通り、あんまり変なこと言わないでくれる？』
＊「何で？お似合いなのにー」
『ありがとう。でもね？それとこれとは別よ？だからこの話はおしまい。櫻井先生も今からピアノの練習するし、私も雑用終らせるから、今日の練習はここまでね。個人練習忘れずに。分かったら早く帰りなさい。そこのハンバーガーショップ、今なら空いてると思うよ？』
＊「マジ？！行こ！」
＊「先生さよならー」
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年5月29日 10時
